【寄席エッセイ】いつも心に営業日を
こんな。
こんな気分の時、一体全体世界はどうしているのか。
お酒を飲んでも翌日眠いし。
人とお話をしていても気を遣う。
しかしこのもやりとした感情。否。感情とはまた違う空気感。自信を纏う重苦しい空気が顔面の皮膚を歪な形に変えている。元来歪な顔はより険しくなり冬の雪山も目じゃないほどの険しさである。樹海に迷い込むよりも険しい。
そこで…………ジムだ。
誰かが言っていた。
「どうしてジャポン達は仕事が終わってジムに行かないんだ」と。
誰かが言っていた。
「体が資本だというのどうしてジムにいかないんだ?」
多分言っていた
「だらしない肉体と言うことは仕事もだらしがない」
ほっとけとは思うがそんな観点で言えば私ほどのだらしない仕事ぶりはないだろう。己の肉体の管理能力は天下一品である。ダメな方で天一なのだ。ラーメン的な意味ではなく。この肉体をもってあの仕事ありである。申し訳なさすぎて全社員の方角に足を向けて眠ることができない。つまり眠りは許されない。であればこのまま起きて朝を迎えようではないか。お天道様にも足向けできないから、廊下に立っていよう。ただお天道様が地球の裏側にいる時は…
だからジムだ。わかるだろう?
きっとバーベルを上げ下げすれば私のこの心は浄化される。乳酸の蓄積と同時にもやりは霧散していくに決まっている。
追い込めば追い込むほどテストステステステロンだかデススターだかステラルーだかが脳からブシャー!なわけだ。ステステロロロンに体を支配されて何もかもを多幸感で閉じ込めたい。そんな気分の時あるでしょう。
それが私は今なのだ。
今!ここで!やるんだな!なのだ。やらなければ狂っている人になってしまう。まぁもう悲しいことに若干の狂いっぷりから周囲に心配の眼差しを向けられていることは知っている。なんだかお菓子の差し入れをよくもらっている気がする。対面ではなく、デスクの上にあるんだもの。明らかに増えてんだよ。空気感伝わってんだよ。ごめんて。ありがとうて。うめえ。
だから私は今からジムに行って怪獣ステステロンとなりハムやバックを徹底的にバスターするのだ。ジム行くのすっごい久しぶりだけど汗をかいてバスターするしか逃れる術はない。だって脳からアドレナナリナリリリンを出せばコロ助ナリよ。そう、おもわな……い……か……
休みである。
ジムが休みである。
暗い。ジムがやってない。
…
どう。どどッど、ど、どう。(多分これ口に出てたと思う)
こんな。
こんな時にいつも思うのだ。どうして営業日を確認しないのかと。お前は馬鹿かと。
ジムが空いていないことよりも自分の思慮の浅さにぐったりする。わかるだろ?何度も何度も擦ってんだよ!このネタは!あ"ぁあ!!!
あの時だって、あの時だってそうだった。
家族で出かけた時、子供達が腹を空かせて暴動寸前だったのにも関わらずついた店は休み。
彼女と美味い飯でも食いに行くかと歩いて20分でお店は臨時休業。
有給をとり綿密なスケジュールの結果、最大の目的の店はclosed。どないせいちゅうねんからのコンビニおむすび。
知ってんだよ俺は、やってんだよ俺は。何度も何度も頭を抱えて狂ってきたじゃないか。周りの「でもこれも経験だよね」ってい温かい声から何も学べてねえじゃん!!!キェエエエ!!!
電話を………いや、営業日を!
営業日を確認してから!お店に………行け!
いつまでも開いてると思うな!それは己の都合の良い解釈で。お店にはスケジュールがあるんだよ!頑張って働いてんだよ!シフト組むの大変なんだよ!働いてる人だって休むのが普通だろうが!伺わせて頂くんだから相手のこと調べてから動きなさいよ!!!アタシ!!!
そんなわけでいつだって心に営業日なのだ。
何をするにもどこに行くでも、自分が期待しているものを得たいならば営業日なのだ。
ステロステロノイドの話の前にお店をテストステスして、ステロテロテロなのかを、確認しなさいよ。大人なんだから。
あんまりにぐったりしすぎて仕事の疲れはどこかへ行ってしまった。己のお馬鹿さにしかもう目はいかない。つまり、仕事のモヤモヤは吹き飛んだのである。そんなことより。仕事でモヤモヤすることなんかより。自分が過去から学べていないと言うことの方が今は遥かに問題だろう。もう、私の名前を営業日にしたい。いつも忘れないように、心に刻みたい。顔にタトゥー掘りたい。洗った時に営業日のことを意識できるように。矢がハートを射抜いているタトゥーの横にei-gyo-biイイイイイイ。
こんな気分の時は。そんな気分の時は。
どんな時であれ「今日やっているのか?」それを、忘れずに生きていくべきだ。人類は。人類は営業日の事を忘れずに生きていくべきなのだ。
あぁ…さて、どうしよう…散歩でもして帰るか…もうよくわかんねえ…