2019年に実施したワークショップふりかえり(企業向け)

2019年のワークショップをふりかえる、企業向け版です。
企業向けのワークショップを単発でご依頼いただくことはあまりなくて、プロジェクト内において必要に応じて実施するというケースがほとんどではあるのですが、スタッフ育成や研修目的で実施することはあります。

この記事は「ワークショップデザイン Advent Calendar 2019」の2日目となります。(年が変わってから書いています。。)

ワークショップを企業内で実施する際のプロセス

弊社で実施する際のプロセスです。必ずしもこれに当てはまるわけではありませんので、ここでは参考までに。

パターン1:定例ミーティングの中で必要性を発見して実施
一番多いのが、進行中プロジェクトの定例ミーティングの中で今後進める中でワークショップの場を持った方がいいと判断された場合です。
この場合は、以下のプロセスとなります。

1. 定例ミーティング内でワークショップ実施の必要性が話される
2. そのミーティング内で、ワークショップの目的・日時・参加者・会場について検討される
3. ワークショップ設計
3. ワークショップ実施
4. ワークショップふりかえり ⇒ 次のアクション

プロジェクトを進める中で実施するものなので次のアクションにつなげることも目的に含まれるので目的設定はしやすいものの、その目的によっては参加者や会場をコーディネートする必要があります。
このパターンで検討するポイントとしては、「いつもの定例会と同じ参加者と会場で求めている目的を達成することができるのか?」という点です。
いつも通りでいいのであれば、ワークショップにする必要はないかもしれません。

パターン2:ワークショップ単体の依頼をもらい実施
継続するワークショップのトライアル的な意味合いや、スタッフ育成や研修として実施しています。
この場合は以下のプロセスとなります。

1. ワークショップの打診を受ける
2. 事前ヒアリング、目的・日時・参加者・会場について確認・検討
3. ワークショップ設計(+テストプレイ)
4. ワークショップ実施
5. 単発のワークショップの場合はワークショップ内でふりかえりを行って終了。複数回の場合は、次回までにフォローアップや事前課題を連絡

ちなみに単発のワークショップは事前ヒアリングや関係者との擦り合わせなどで、どうしても稼働が多くなってしまうのでコスト的には割高な印象になってしまうかもしれません。
とはいえ、単発のワークショップでも、目的や参加者に合わせてプログラムデザイン/ファシリテーションしますので、その場から得られるものは大きいと考えています。

実際に企業内で実施したワークショップ

2019年に企業内で実施したワークショップの中からいくつか取り上げて紹介します。ここで取り上げるのは以下を目的にしたものとなります。

・アイディエーション(アイデア出し)
・会社やサービスのこれからを考える(ビジョンメイキング)
・業務、コミュニケーション改善
・プロジェクトのふりかえり

アイディエーションワークショップ
新規サービス開発を進める上で「サービスを利用するシーン」について考えるため、ワークショップを実施することになった。
普段のチームメンバーに加えて、開発ベンダーやコンサルティングファームのメンバーも参加し、参加者が普段「どのサービスを、どれくらいの時間使っているか?」という事実の確認からスタートし、かけ合わせやアナロジーの手法を取り入れたアイディエーションを行った後にグループごとに「利用シーンのストーリー化」を描いた。

【ワークショップ後のアクション】
利用シーンと、そのストーリーを元にサービスの機能出しを行った。


ビジョンメイキングワークショップ
新規事業開発を進める上で「自分たちは数年後の未来で何を解決したいのか?」を考えるプロセスの中でビジョンを考え直すに至った。
誰かが決めるのではなく、現在のメンバーで考えることが必要と考え、参加者が個別に考える未来の姿を共有しつつ、未来の社会で起きていることの中で自分たちが取り組む課題を見つけるため、個別に書きだした未来の社会の課題を場に出した上で、対話中心のワークを行った。

【ワークショップ後のアクション】
自分たちが未来で取り組む課題を元にして、自分たちが何を提供できるか?といったサービス像を考えるワークショップを行った。
全社ミーティングをワークショップとして実施


コミュニケーション研修
中途採用者向けの研修として1Dayのワークショップとして実施。
参加者それぞれが考える「コミュニケーションの印象」を全体共有した上で、コミュニケーションを体感してもらうため、チームごとにボードゲームをプレイしてもらった後に「wevox values card」でそのふりかえりを行った。その後に「一年後の自分を考える」ワークを行い、その中でチームやコミュニケーションの必要性を感じるかどうかをあらためて対話した。

【ワークショップ後のアクション】
複数日継続する研修の初日に実施したため、その後の研修が進めやすくなったことと、参加者同士のコミュニケーションのきっかけとなり得た。

プロジェクトのふりかえり
プロジェクトごとのふりかえりをどのように行うかを伝えるために実施。
事実と感情を分けて時系列に書き出し、それらを元にストーリーでふりかえりを行った。その後、プロジェクトを通してどのポイントが分岐点になっていたかを確認しつつ、その上で改善を考えたいポイントを参加者で決めた上で改善案を出していった。
最後にこの「ふりかえりのふりかえり」を行ってもらうことで、自分たちに適したふりかえりの型を最適化していくことにした。

【ワークショップ後のアクション】
改善案を今後も考えていくか、このふりかえりで完了とするかを参加者に判断してもらうことと、自分たちであらためてふりかえりを行うことで課題やふりかえりの型の最適化を考えることとした。

学習・育成を目的としたワークショップのご相談

サービスデザイン・UX・プロジェクトマネジメントやデザインプロセス等の学習・育成を組織内で継続的に実施していくワークショップのご相談もお受けしていますので、お気軽にご相談ください。
ワークショップの実施だけではなく、どのように計画的に学習・育成を行っていくのか、というプラニングから対応しております。


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