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「プロジェクト テーマパーク」を使ったワークショップをつくる(その1)

2月下旬に発売されて以来、各所でプロジェクト管理を学べるボードゲーム「プロジェクト テーマパーク」のプレイに明け暮れていました。
その一ヶ月半ほどを振り返るとともに、プロジェクト テーマパークを利用したワークショップについて触れてみたいと思います。

「プロジェクト管理を学べる」ボードゲームとは

昨年からワークショップで使うツールとしてカードの開発を進めていたのですが、そこでこんなニュースを目にしました。

これはっ!と思い、次の瞬間には、ヌーラボ @Meggy さんに「このボードゲーム使ってワークショップ作っていいですか?」という連絡を入れてました。(危うく福岡に押しかけそうになりました)

実際には、2/19に東京で開催されたプロジェクト テーマパークのお披露目イベントに参加し、そこで始めてプレイすることになりました。
その場で印象的だったのは、はじめて会った人たちといきなりゲームプレイしたのに、イベントが終わる時にはお互いに自己紹介がしたくなってしまっていたという状態に。ゲームプレイを通してのチームビルディングを実感できた時間でした。

このイベントレポートを読んでいただくと、どのようなゲームであるかが何となく伝わるかなと思います。

まずはいろんな企業内でプレイしてみる

実際にプレイしてみて、これは「いろんな人たちにプレイしてもらいたい」、またプレイするだけではなく、「ワークショップとして実施したい」という気持ちが高まり、まずはいろんな企業内でプレイし、どのようなワークショップをデザインするのがよいかをリサーチすることにしました。

4/10時点に至るまでに以下のような企業内で実施させていただきました。(皆さま、ご協力ありがとうございます!)

・某商社様
・某製薬会社様
・クラウドワークス様
・サイボウズ様
・オプト様
・DONGURI様
・LIG様
・ILY様
・エスケイワード様

実際には企業外でのプレイも複数回実施しているので、100人近い人たちとプレイする機会を持たせていただいています。

実際のプレイの様子はこんな感じです。


プレイ後の感想としては以下のような点に、楽しさを感じたとコメントをいただいていました。

チームメンバーと協議・ディスカッションをしながら、ベストの選択肢を探る点。また、メンバーによって、リスクに対して積極的なスタンスか/消極的なスタンスなのかがプレースタイルとして出ていて面白かった
メンバーや人数が変わった時の難しさやボトルネックが違って、それは通常のプロジェクトでも同じだと思うので、それをゲームを通して疑似体験できるのは良いなと思いました。
チーム一丸となってタスクを完遂することが非常に楽しかった。
1人が決めるのではなく、自分の持ち回りを理解した上で意見を出し合えるのはプロジェクトを進める上で非常に重要だと思う。

どんなシーンで利用するのか

純粋にボードゲームとしても楽しめるのですが、例えば就業時間内に利用するとしたら?という問いかけをプレイに参加いただいた皆さんに聞いてみたところ、以下のような回答をいただきました。

・チームビルディング、新人研修の一環、コミュニケーションの増加
・初学者に対するチーム作業の体験
・現状/過去のプロジェクトと比較しての議論
・チームの仕事の勧め方を見直したいとき、プロジェクトのふりかえり
・プロジェクトメンバーの発言や性質を理解するために実施
・プロジェクトのコンセプトワーク

ゲームプレイだけではもちろん足りない部分はあるので、プレイ方法や、ゲームプレイ+αでワークショップ化を考えることで利用シーンや、その効果の幅を広げることはできるかと考えています。
実際にゲームプレイ後のミーティングでは、普段よりも発言が活発になっているという感想もいただいていますので、チームミーティングの前にプレイする時間を取ってみてもいいかもしれませんね。

おすすめプレイ方法

上述のように複数の企業内で実施させていただいているのですが、ランチタイム(1時間)で実施することもあったため、短時間でプレイできるように以下のようなプレイの進め方を行いました。

まずはルールをインプットするためのチュートリアルプレイを行います。

【難易度を下げた状態で2ヶ月間のチュートリアルプレイ】
1. SILENTの役割カードを抜き、イベントカードは晴れと曇りで構成
2. まず「チーム」であることを参加者に伝える
3. カードを配りながら説明していく(カードごとの説明、建築、信頼度、リスケについて)
4. 役割カードはチームメンバーでそれぞれ共有してもらう
5. 説明は手短に行い、まずはプレイする
6. 参加者から質問が出たタイミングで回答する
7. 見積りの時間は「2分」とする
8. 2ヶ月進んだら、一旦終了。リセットする

【リセットしたら難易度も戻して、通しでプレイ】
1. SILENTの役割カードも含めて、イベントカードもランダムに配置
2. 見積りの時間は「2分」とする

ルールがインプットされないと、ゲームに集中することができないため、難易度を下げた状態でチュートリアルプレイを行い、この間に質疑回答を行うようにします。
このチュートリアルプレイを行うことで、その後の本プレイがスムーズに進むことができます。
また大事なポイントは、見積り時間を制限することです。最初の頃は見積り時間を制限しなかったのですが、そうした場合、一ヶ月の見積りで30分を要してしまったことがあって、何度か試した結果、「2分」が最適であることが分かりました。

また、プレイする時には以下のように一ヶ月の流れをホワイトボードや紙に書いて参加者がいつでも確認できるようにしておくと、ゲームマスターの負担が減り、参加者も自分たちで確認しながら進めることができるので、おすすめです。

【一ヶ月の流れ】
1. 見積り(有休申請)
2. イベントカードをオープン
3. 共同作業宣言
4. 作業着手
5. 月末処理
 ・信頼度のプラス/マイナス
 ・稼働なしの人にやる気カードを1枚渡す
 ・有休取得した人にやる気カードを3枚渡す
 ・バーンダウンチャート更新

この内容で実施すれば、チュートリアルプレイを含めて1時間でプレイすることが可能です。

また、参加者が2チーム以上で、時間を長めに取ることができる場合は、チームメンバーを入れ替えてプレイしてみると、チームメンバーの違いによる差を感じることができるので、その違いについてプレイ後に考えてみると、面白いと思います。

ワークショップデザインについては次回(その2)に続きます。


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