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ホッケーをメジャースポーツに!! その12 Hockey5sってなんだ!?

はじめに

ネットコミュニティ*の場で気になるコメントを聞きました。それは「スポーツ競技の少人数化」。少人数化の理由は、多様化する世の中で、競技者の確保・人気の得ることを目的に、競技の魅力を磨いている、と推測します。改めて思い起こしてみると「ラグビーセブンズ」、「フットサル」、「バスケットボール3x3」など確かにいろいろあります。

そんな大きな流れで、ホッケー競技においても「Hockey5s(ホッケー5(ファイブ))」をグローバルで展開する動きがあります(あると教えてもらいました💦)。

写真:Mauricio V. Genta, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
タイトル:「ホッケーをメジャースポーツに!!」FBグループ名より
*:ホッケーサミット縁trance

Hockey5sの歴史、展開

Hockey5sは、2014年に国際ホッケー連盟(FIH)によって導入。その後、実戦をつうじて改善され数年おきにルールの見直しがされ、まだ進化中って感じです。

Youth Olympic Games 2014年中国南京大会で初めの国際大会、その後2018年アルゼンチンのブエノスアイレス大会でもHockey5s実施されています。結果は下記のとおり。 

Youth Olympic Games 2014&2018
<男子>
2014 優勝オーストラリア、準優勝インド、3位スペイン、4位南アフリカ
2018 優勝マレーシア、準優勝インド、3位アルゼンチン、4位ザンビア
<女子>
2014 優勝中国、準優勝オランダ、3位アルゼンチン、4位日本
2018 優勝アルゼンチン、準優勝インド、3位中国、4位南アフリカ

その他、2014年以降ヨーロッパやインドなどで大会開催、スイスではU16等強化を掲げています。FIHでは、2023年最初の「Hockey5sワールドカップ」開催に向けて取り組んでいます。”Hockey5sが新しいプレーヤーや観客をホッケーに引き込む可能性と機会に興奮しています。”とFIHが記載しており、ホッケー普及戦略としてHockey5sを展開しようとしているのは間違いありません。


Hockey5sとは

Hockey5sとはどんな競技なのか。。Hockey5sは名前にも”5”とあるとおり、1チーム最大5名でプレーします。Hockey5sの魅力、特徴的なルール・コートをまとめました。

Hockey5s魅力

Hockey5s特徴的なルール

Hockey5sコート

Hockey5sコート比較

10分ハーフx2、フィールドプレイヤーの交代は自由・無制限なので試合をとおして全力ハード、フルスピードのプレーが求められます。

フィールド周辺にリバウンドボードが設置されているので、アウトオブプレーになって試合が途切れることはほとんどありません。リバウンドボードを活用することもできるので、11人制ではできない技巧も可能です。

11人制ホッケーでは、ゴール前サークル内でしかシュートが打てませんが、Hockey5sでは敵陣に入ればシュート可能です。11人制でのゴール前の密集でのゴールシーンも魅力ですが、Hockey5sではロングレンジでのシュートも合わせシュートバリエーションが増え、得点数も多い傾向にあります。

百聞は一見に如かず、Youth Olympic Games 2018の男子決勝です。

Youth Olympic Games 2018の男子ザンビアが4位になっています。本大会でザンビアは前大会優勝のオーストラリアを撃破。ザンビアは11人制ランキング85位です。Hockey5sでは、世界の勢力図が変わるかも・・・です。


日本のおけるHockey5s

Hockey5sについて、ネットコミュニティで教えてもらうまで知りませんでした。今回、情報が非常に少なく調査も困難な状況で、特に日本語の情報は極少し。この事実だけでも、日本における認知度が超低いと言えます。

日本では、Youth Olympic Gamesへの出場関連の記事も少なく、注目度の低さが伺えます。普段からやっているというより、出場のために急遽対応って感じなのでしょうか。


Youth Olympic Games 2014 Women's Hockey5s China vs Japan - Highlights


日本では、11人制ホッケーと日本独自の6人制ホッケーが競技されています。6人制のルールは11人制を基本に少人数化、小さいフィールドに合わせた内容。Hockey5sと11人制・6人制ホッケー比較し考察した興味深い文献を発見しました。Youth Olympic Games 2014女子U18ユース監督の小林和典さんがまとめたものです。

【研究ノート】Hockey5sの特性に関する一考察 ―11人制ホッケー・6人制ホッケーと比較して―

高校・大学世代の選手へのアンケートをもとに考察されています。選手の思考、特性がHockey5sに対する印象(回答内容)に反映されていると感じました。スピード感・ハードプレー、シュート重視のプレイヤーはHockey5sに好印象のようです。詳細は是非論文を読んでもらいたいです。

同じホッケーでも、11人制・6人制ホッケーとHockey5sでは特性が異なる部分もあり、ホッケーの魅力を拡げることができそうです。Hockey5sは、今のところ認知度の低さ、競技環境が皆無、が大きな課題と言えます。


別の側面でのHockey5sの可能性

ここまでトップレベルにおけることを主に書きましたが、Hocky5sのルール書には、”国際大会以外では、利用可能な施設、全ての年齢と能力のプレイヤーに適応できるように設計”と記載があります。身近な生涯スポーツとしての普及を目指していると捉えることができます。

実際に、海外では子供たちが楽しくプレーしています。


日本でも、5人制インドアホッケー「ホッケー5」大会が開催されています。南山城村総合型地域スポーツクラブ主催「南山城村インドアホッケー大会」

ルールは、競技時間、コート、ゴールキーパーなし、など参加しやすくるための独自のルールを工夫されています。Hockey5sからの発展したものかはわかりませんが、理念は共通していると思いました。


まとめ

6人制ホッケー、Hockey5sの知識もないときに、ホッケーをメジャースポーツに!!をするためには、少人数でプレーできるファミリー競技が必要と考えていました。

ホッケーLight(仮)と記載していました。その考えの背景は、下記です。
・11人x2を集まるのは厳しい
・競技場所を確保も厳しい
・11人制ホッケーは初心者にはハードルが高い
・11人制ホッケーはときどきプレイヤーにはきつい

加えて、「ホッケーをメジャースポーツに!! その11 競技者を増やすために他の競技に学ぶ」で他競技事例を調べて、ファミリー競技が相乗効果をもたらすことがわかりました。


Hockey5sを上手に展開・活用すれば、下記が期待できます。
・Hockey5sの特性にマッチした選手の活躍の場が拡がる
・ホッケーの魅力が拡大し、競技者増・サポータ増につながる
・少人数、小スペースを活かし競技継続しやすい環境をつくる ※
・初心者が競技をはじめやすい環境をつくる ※
 ※独自ルール活用含む

Hockey5sによって競技の幅を拡げる視点に加えて、ホッケーの別の魅力を引き出し・磨くことでファンの拡大にもつなげれると思っています。

<留意>
Hockey5sの展開についてはポジティブな意見ばかりではないようです。これまでの経緯、ホッケーの魅力が活かされているのか、複数フォーマット(11人制、Indoor +Hockey5s)によるデメリット、など。新たな取り組みについては、しっかり議論が必要


■お願い
今回特に情報が少ない中で調べてまとめました。内容が違う!古い!などありましたらご指摘ください。些細なことでも良いので、ご指摘・アドバイス等のコメントを頂けるとうれしいです。
Hockey5s情報持ってる!やったことある!って方、ご連絡頂けるとめっちゃうれしいです。
連絡先 <mail: katsut.u2@gmail.com>


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