小学校理科を指導要領から考える 【毎週水曜日更新】

はじめに
 前回、小学校学習指導要領の平成29年改定についてざっくりとまとめました。(前回→https://note.com/katsushikakap/n/nb8821fd1b80f
今回もまだ概要に類する内容ですが、「理科の目標及び内容」について触れていきます。

1、理科の目標の在り方
 目標の「在り方」という点では改訂前との差は正直なく、
「(1)知識及び技能」「(2)思考力、判断力、表現力」「(3)学びに向かう力、人間性等」を示した。この3点に付随する形で「理科の見え方・考え方」を重視する事を綴っています。
 上記はだいぶ簡略化してしまっているのですが、その養う力の育成という点では改訂前に比べると「理科課程内での繋がり」や「教科間の繋がり」を感じられるように授業を行なっていきたい、という意思があるように感じます。

2、教科の目標

自然に親しみ、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通じて、自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)自然の事物・現象についての理解を図り、観察、実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
(2)観察、実験などを行い、問題解決の力を養う。
(3)自然を愛する心情や主体的に問題を解決しようとする態度を養う。

小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編

 大事な部分なので引用しました。
「目標の在り方」と連動するように3つの柱にまとめられていますが、
個人的にはこの3つの柱が同じ位置にあるというよりは段階的に3つの目標を使っていくという様に解釈しています。

3、目標の段階分け
 理科を学ぶ事、好きになる事のスタートラインとして「興味を持つ」があると思うのですが、指導要領でもその部分にアプローチを行いましょうと言った文言が出てきます。非常に大事な部分であり、目標では「(3)自然を愛する心情や主体的に問題を解決しようとする態度を養う。」がそれだと思っています。
自然環境系に限らず、「理解しようとする好奇心」が観察や実験を通して成長する為の基盤になると考えます。
 「好奇心」の基盤の上に乗るのがそれを証明するために必要な技能と知識です。
「(1)自然の事物・現象についての理解を図り、観察、実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。」がまさにですね。
子ども達の成長を一番感じやすい部分ですが、知識メインになってしまうと思うので私が疑問に思っている内容でもあります。というか、先生達もお忙しいので映像や図録で済ませがちだったりするんじゃないですかね。 
 話しを戻して、最後が「(2)観察、実験などを行い、問題解決の力を養う。」ですが、これは他教科や日常生活の姿を見ていくものかなと思います。
教科書にあるめくれば答えがある内容を0、1の状態から考えさせるのは非常に難しいと思います。インターネットや塾、受験等、学びの情報を得ることのできる媒体は学校以外にもいっぱいあるからです。
だからこそ、自分の生活の中で見つけた「疑問」を調べる事が問題解決の力だと私は思います。調べる事が最も大事な事だとは思いますが、試せるものは試させてあげたいですよね…

4、理科教育の目標を読んで
 私は、小学校の理科で大事なものは「(3)自然を愛する心情や主体的に問題を解決しようとする態度を養う。」だと思います。
難しいことは、一旦置いといてもいいんじゃないかなと常日頃から思っているちゃらんぽらんだからなのもありますが、知識においての「好きこそ物の上手なれ」は自分の身になります。過去の統計や実体験でも「小学校の時は理科が好きだったけど、中学校になってからは苦手」みたいなことがあります。
そりゃ、知識問題が増えて、数式が増えれば嫌にもなるでしょう、と思います。
だからこそ、小学校のうちに「好奇心」が持てることで成長して、勉強することが難しくなっても楽しめるんじゃないかなと思います。
 上のことにも関係しますが、指導要領で分野での繋がりを明確にしたのは良いと考えています。理科は一年間で様々なことを学ばないといけない事から、私はパズルを何個も同時に作っているような物だと思っています。
小学校の教育が広く浅くなのやらないと色んなことに間に合わないとわかってはいます。だからこそ、繋がりを明確にして一回一回のゴールが決まっているのは先生方への配慮だなと思います。
 

 文章を書くのがあまり上手ではなく、思ったままに書いているのですが、
とりあえず、退屈な読み物としては今回までで済むかなと思っています。
次回からは単元の部分に切り込んでいこうかと思います。
実験教室を生業にしているものとして、大切にする部分や実験操作について考えて行ければと思います。
今回もお読み頂きまして、ありがとうございました。

毎週水曜日更新予定、次回は2月21日更新!「指導要領第3学年 風とゴムの力の働き」を考えていきたいと思います。

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