小学校理科を指導要領から考える 【毎週水曜日更新】

はじめに
 小学校の授業の根底に「小学校学習指導要領」があるのはご存知の事でしょう。
学習指導要領は平成29年に大きな改訂が行われ(プログラミング教育は話題になったと記憶しています。)、翌年度から一部移行措置等も行われました。
当記事では「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」を読みながら
子どもの為の理科教育を考えていく機会の一助になればと思い、綴るものです。
当記事、当シリーズは全文無料です。

 第一回は小学校の理科教育知るためにも、指導要領の第一章総説から「改訂の経緯及び基本方針」を私の考えと共に纏めていきたいと思います。

1、改訂の経緯
 「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが、成人して社会で活躍する頃には、我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。」から総説が始まる。
これは人口の減少、グローバル化や人工知能の分野を代表とする科学の発展等に起因する考えだと補足している。
 そんな予測できない未来を生きる子ども達のために、小学校では何を目的、課題にしていくのか基本方針が決まった。

2、改訂の基本方針
 ①これまでの学校教育の実績や蓄積を生かし、未来社会を切り拓くための資質・
能力を一層確実に育成することを目指し、子ども達に求められる資質・能力とは何かを社会と共有し、連携する「社会に開かれた教育課程」を重視する。
 ②知識・技能、思考力や判断力、表現力等の育成のバランスを重視する平成20年度改訂の指導要領の内容を維持した上で、知識理解の質を更に高め、確かな学力を育成する。
 ③道徳教育の充実や体験活動の重視、体育・健康に関する指導の充実により、豊かな心や健やかな体を育成する。
 上記3点が基本的な考え方となっている。細かな点は私の考えと一緒にまとめて行きます。

3、一人の理科教育を考える者として
 長々と指導要領をまとめてみましたが、結局は何が大事になるかという事だと思います。面倒な事にこういった公的文書は解釈による部分が自由なのでここではあくまでも「私の考え」である事を念頭において読んで頂きたく思う次第です。 

 大事なことは「社会で挑戦する為の基礎づくりと心づくり」であると私は考えます。まあ、日本の教育ができた時からそうだと思うのですが。
アクティブラーニングを大きく謳ったのも実践的な教育を社会にアピールする為だったのかなとも思います。個人的には指導要領が求めるものは「突き詰めるべき理想」であると考えています。平均を良しとした現代社会の学校教育だなと思います。現役の先生方もこの「理想」を理解した上で多くの課題に頭を悩ましていらっしゃる事だと思います。個性を求める教育を行うには人手も時間も金銭も何もかもが足りない現状だと思います。
 そんな中で、私のような先生では無い逸れの教育者は理科教育をどんな体験を通じて指導要領の定める目的と「社会に挑戦する為の力を育んで行くのか、当シリーズの更新をしていく中で考えて行きたいと思います。

毎週水曜日更新予定、次回は2月14日更新!「指導要領 理科教育の目標」をまとめて行きます。
 
当記事、当シリーズは全文無料で読んで頂けます。

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