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娘がアメリカの名門ボーディングスクールに進学した話(3) ボーディングスクールってなに?

アメリカの保守的富裕層の子息の多くは中学を卒業するとボーディングスクール (Boarding School)と呼ばれる全寮制の高校に入学します。英語のBoarding には下宿、寄宿の意味があります。ボーディングスクールに通う学生の多くは学生寮に住み、学友と寝食をともにしながら勉強します。日本の旧制高校、トヨタが出資したことでも知られる愛知県の海陽学園もボーディングスクールですね。

アメリカの学制は小学校5年、中学3年、高校4年です。ここで取り上げるアメリカのボーディングスクールは日本で言うところの中学3年生から高校3年生までの4年間を教える「全寮制私立高校」です。ボーディングスクールはヨーロッパではイギリスとスイスなどの例外を除き発達していませんが、アメリカでは白人の保守的上流階級に受け入れられました。階級が固定されているヨーロッパとは違い新興国であったアメリカの上流階級が家庭での教育のリスクを嫌い、外部の専門家によるより権威的な教育を求めたのであろうといわれています。

ボーディングスクールは多感な年頃の学生を学寮で預かり、知力、体力、教養(マナー)を鍛え将来のリーダーとして育てるという理念を持っています。学生は寮で生活しながら学習、スポーツ、芸術、地域ボランティアなどに積極的に関わり優れた人格を形成するよう厳しく指導・激励を受けます。トップ校は学術の面でも高いレベルが求められ難関校へ入学するのには高い知能、運動能力、芸術の才能、もしくは家族の社会的地位が必要であるといわれています。

ボーディングスクールはその特徴から4つに大別できます。

①名門大学進学の準備をするプレップスクール

②軍隊式教育と規律を取り入れたミリタリースクール

③宗教教育と規律を取り入れた宗教系スクール

④音楽、芸術、舞踊など各種特殊技能の教育に特色をもつアートスクール

これらの他に男子校、女子高、学習困難の特性を持つ生徒のための学校など幅広く多くのタイプの学生に門戸が開かれています。またこれらのボーディングスクールは留学生の受け入れにとても積極的です。ほとんどの学校で5%から30%程度の留学生がいます。アメリカの大学はすでに留学生を数多く受け入れていますが、この流れは高校にも波及しており名門といわれるボーディング・プレップスクールも優秀な留学生を求めています。

ボーディングスクールはほとんどが私学で自治体からの補助は受けていません。したがって学費は非常に高く、年間400~700万円前後です(寮費を含む)。 しかしトップクラスの学校は多額の寄付金を集めており優秀な生徒には奨学金やファイナンシャルエイドとよばれる学費の援助をおこないます。学校によっては学生の40%が何らかの援助を受けています。留学生でもこれらの援助は受けることができますので必ずしも富裕層しか入学できないというわけではありません。

ボーディングスクールについては以下のウェブページでも説明がありますのでご参照ください。

リンク:

ウィキペディア

ボーディングスクールコンサルティング EDICM

ボーディングスクール受験(Tanigawa氏の個人サイト)

AllAbout



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