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私的読書感想文『1984年のUWF』

『1984年のUWF』柳澤健

名著ですね。
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか』にも引けを取らない名著だと思います。
こちらの方が、分量的にも内容的にも比較的ライトではありますが。

アントニオ猪木のプロレス最強説を受け継ぐ者達の物語。

プロレスはショーなのか真剣勝負なのかという、最も基礎的な問題でありながら永遠の問題に、一つの解答を提示してくれている。

それは携帯電話の明るさ調整に似ているような気がする。
高明度がショー的要素で、低明度が真剣勝負的要素だ。
明度を上げれば、より鮮明にきらびやかになる。見る人にとっては眩しくて見にくいという人も出てくるだろう。
明度を下げれば、落ち着きはするが派手さは無く、目を凝らさないと見ることが出来ない。
明度をマックス下げたとしても、それは真っ黒というわけではなく、ギリギリ目視できる所で収まっている。
プロレスを語っている以上、真っ黒ということはなく、真っ黒は総合格闘技の範疇になる。
明度は、プロレス団体、試合、レスラーによって変わる。
レスラー単位で見ても、立場や時代によってその明度が変わるので、より複雑となり、その複雑さがプロレスを見る楽しみのひとつだったりする。

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