私的読書感想文『アルジャーノンに花束を』

『アルジャーノンに花束を』ダニエルキイス著を読む。

知的発達障害者に脳の手術を施し、賢くなっていく過程とその後を書いた作品。
全編、手術をされた主人公のチャーリーがドクターに向けて書いた報告書という形を採っている。
アルジャーノンとは、同じ手術を施されたネズミの名前。

私の心に残る映画のひとつに『レナードの朝』がある。パーキンソン病(正確には違う病気)を患った患者に薬を投与すると、劇的に改善していくが、その効果は長くは続かないという話だ。
2つの作品はテーマと話の展開がすごく似ているが、しかしながら明らかな違いもある。

ひとつは、『アルジャーノンに花束を』が全編報告書の形を採っていることに原因があるのだが、主人公チャーリーの視点からだけであること。
レナードの朝は、投薬する医者からの視点がメインで、薬が効かなくなっていくことに気づいていく医者の葛藤に見せ場がある。
もうひとつは『レナードの朝』では患者は、薬が最も効いている時でも、あくまで一般的なレベルの生活を送るに過ぎないが、『アルジャーノンに花束を』では患者が脳手術により誰よりも高い頭脳を持ってしまうところである。
二つ目の点に、この作品の見せ場があるように思う。

ただ、和訳は日本語がノッキングしてるようで、読みづらい。
元々の文化が違うから、慣用句の和訳なんかも親しみがなく、わかりづらかったりする。
やっぱり原文で読まなあかんのやろね。

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