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【かつらのお話:立役中剃鬢の貼り毛】

刳のチュールを貼り終えた地金。次に鬢裏に貼り毛をしていきます。

こんにちは。京都時代劇かつらです。今回は鬢の貼り毛のお話です。

貼り毛は字の如く、人毛を貼り、毛量を増やす作業です。チュールの刺し毛の量を勘案しつつ26吋程の人毛を、分量を調節しながら貼ります。

まず、材料人毛を少量づつ引き揃え、鬢裏毛に使えるよう整毛します。
その、整毛し終わった毛先を僅かに切り落とし、頭を揃え、貼り台に広げた糊に咬まします。糊がしっかりまわったら、人毛を貼り台の上で均等に広げ、鬢裏の地金に貼ります。

鬢裏に貼り毛の終わった地金

この動作は、筆や刷毛製作の糊付けに大変よく似ています。また、人形の頭に毛を付ける作業にも大変よく似ています。

刷毛製作や、人形の頭製作の動画を見る度にとても親近感が湧きます。


色が濃くなっている部分に糊がまわっている

この貼り毛の毛量によって、かつらの鬢の形、髷の雰囲気、また、結いのもちが変わってきます。


すっかり毛で隠れた地金

さてさてすっかり地金の部分が人毛で隠れました。

いよいよ完成に近づいてきました。

次回もどうぞお楽しみに。

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