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【かつらのお話:銀杏返し】

床山さんから鬘が結い上がってきました。

こんにちは。京都時代劇かつらです。

今回の髪型は【銀杏返し】

銀杏返し 髷が銀杏の葉の様に広がって返っている

銀杏返しは日本髪の中でも定番の髪型の一つです。
幕末から明治期にかけて流行った髪型ですが

時代劇では

鬼平犯科帳の

密偵おまさ
五鉄の女中おとき


剣客商売の

小兵衛の女房おはる
不二楼の女中およね

など、江戸期の市井の女性の髪型として登場します。(鬼平の女中おときと剣客の女中およねは、どちらも 江戸家まねき猫さん が演じてらっしゃるので、どちらも同じかつらを使用しています。)

飾りを変えることにより、粋筋の役から庶民まで幅広く使えるので重宝します。

御家人斬九郎の

芸者蔦吉

も、普段の髪型はこの銀杏返しを結い上げています。

幕末明治が舞台だった前々作の大河ドラマ
【青天を衝け】では全編を通して銀杏返しが沢山出てきましたし、
現在の朝の連続テレビ小説【らんまん】では、主人公槇野万太郎の住む長屋の女性陣も銀杏返しを結い上げています。

それだけ定番の髪型だったわけですね。

さてさて、数回に渡りご紹介してきました女形のかつら製作も、銀杏返しに結い上がった所で完成しました。

次回から新しいシリーズが始まります。

どうぞお楽しみに。


銀杏返し正面 結い上がると刳の雰囲気も変わる

※当noteでご紹介する写真は、全て筆者撮影のオリジナル写真です。被写体及び他者撮影の写真を使用する場合は、全て許可を得て掲載しています。当noteの文章・写真の転載、加工、二次使用はなんびとにも許可しておりません。ご注意願います。



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