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【かつらのお話:プロローグ】

知人から勧められ
今日から少しずつ時代劇で使用される鬘のお話を
綴っていこうかと思います。

はじめまして。こんにちは。
京都時代劇かつらです。

黒毛中剃網鬘

プロローグの今回は、軽く自己紹介を。

私はまだまだテレビ時代劇が盛んな頃
ふとしたきっかけで鬘の修行に入りました。
もう四半世紀以上も前の事です。

その頃はまだテレビ時代劇はもちろんの事、映画、舞台芝居も今よりずっと活気がありました。

今ではレジェンドと呼ばれる役者・スタッフもまだまだ現役で、撮影所では常に2、3本同時に撮影していました。
多い時など5本程重なっていた時代です。

舞台でも東西の劇場が常に1ヶ月丸々公演をしており空き小屋などありませんでしたし、巡業と呼ばれるツアー公演も盛んでした。

そんな時代に飛び込んだ時代劇の世界は
毎日が非現実で刺激的。
見る物触れる物、全てが新鮮で全てが手作り。
創意工夫に溢れていました。

現代劇の作品と違い、画面に映る人物はエキストラ一人に至るまで全て扮装を拵えないといけません。
撮影中に、街中にいる一般人をつかまえて
「ちょっとエキストラで出てくれませんか?」
そんな事が出来ないのが時代劇。
画面の隅々まで作り込まれているのです。

その作り物の最たる部分、【鬘】に惹かれ
そこから始まった修行の日々も
気付けば長い歳月が経っていました。

今も日々鬘に向き合って、京都の地で製作しています。

このnoteはそんな中のちょっとした失敗談や思い出話も織り混ぜて、なかなか表舞台に出ない

【鬘作りの工程】

をご紹介していきます。


ぜひゆっくりのんびりお付き合いくださいませ。


自然色女形網全鬘

※当noteでご紹介する写真は、全て筆者撮影のオリジナル写真です。

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