モコンさんの庭

モコンさんの庭: 自由な発想と完全ご都合主義がまかり通る異世界の庭です。 次のような収…

モコンさんの庭

モコンさんの庭: 自由な発想と完全ご都合主義がまかり通る異世界の庭です。 次のような収穫物が期待できます: ・アニメ業界での体験や資料 ・昭和時代を懐かしむエッセイ ・趣味と雑談 ・自作短編 何が収穫できるかは、その時のお楽しみ。気軽に立ち寄って、自由な発想をお楽しみください。

最近の記事

モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その6

量産体制のセルアニメ時代の背景は、画用紙にポスターカラーを使うのが一般的でした。フォローやパンなど背景の長さが必要になる場合もあるので大判の画用紙を目的の大きさに切り分けて使います。 特にカメラワークがないものは、スタンダードセルより一回り大きめに描かれていて、セル位置を決める際に若干の修正ができます。会社によってはタップ穴があけられていてセル位置を変えられないということもあります。 背景の枚数ですが、同じポジションでのアングル、空などの兼用ができるカットがあるので、当然

    • モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その5

      セルアニメでの彩色は手間のかかる仕事です。セルに使う絵の具の色数はある程度抑えられていますが、1色でも足りないと仕上げることができません。 実際にアップ前日の深夜、外注さんに出した彩色カットで1色足りないことが発覚し、翌日アップのために、深夜に制作が車でその1色を届けたこともありました。 彩色用の絵の具はすぐには乾きません。ドライヤーなどで無理やり乾かすとセルが歪んだり、彩色した表面しか乾いていない場合は、塗った色が飛び出てくることもあります。 彩色絵の具は乾くまでの時

      • モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その4

        今回のオトモはセルアニメのセルに動画の線を写し取るトレスマシンについて解説します。 残念なことに自分で撮影したトレスマシン使用の連続写真は保存が悪く化学変化を起してプリントできませんでした。 ネット上にある複数のサイトより引用「トレスマシンの使い方」の中から写真を引用して手順を再現してみました。 なおトレスマシンの線はベンジンなどで落すことができます。

        • モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その3

          見出しの写真は私が使っているストップウォッチです。かれこれ50年以上使っています。今でもしっかりと動きます。当時の値段が約1万円ほどですからかなり高価。そしてこれ30秒計なんです。動きやセリフのタイミングをとるには非常に重宝いたします。 みなさんご存じのとおり、映画では1秒に24コマの画像が記録されています。セルアニメも同様に1秒は24コマで、1コマずつ動きをつけていくのを「フルアニメ」といいます。 フルアニメでは、例えばAセルのみとして1秒間に24枚の動画が必要となりま

        モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その6

          モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その2

          セルアニメの現場で必ず観ることになるのが作画机です。 1968年頃の作画机は写真のものより丈夫な作りになっていました。 作画机は動画机とも言いますがここでは同じものとして書いています。 当時の作画机は今時のものより幅も広く、 合板ではなく一枚板のもので結構重かったのです。 なので色はニスなど塗ってあっても基本木の色でした。 大抵右側に引出しがついていて整理がしやすく重宝しました。 写真はデジタル化間近頃の私が撮影した作画机ですが、 どのようなものが置かれているかがわかる

          モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その2

          モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その1

          私がアニメ業界に就職した頃はセルアニメ真っ盛りの時代で、しかもテレビ向けのシリーズ作品がモノクロからカラーに変る時でもありました。 そのセルアニメも1990年の中頃あたりからデジタル化が進み、セルを使うアニメは急速に減少していきました。 最後まで残ったセルアニメ作品は「サザエさん」ですが2013年にデジタル化して、アニメーション業界はセルアニメからデジタルアニメへと移行。 それに伴い今の世代の方々はセルアニメをまったく知らない方も多くなりました。セルアニメ時代のものをわか

          モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その1