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デザインの言語化:客観的事実を根拠にデザインを伝える

12月です。年末です。カンムアドベントカレンダー10日目の記事です 📆
カンムのデザイナーosanaiです。

今年、自分の中で最も盛り上がった漫画の1つは、アオアシです。「つつつつつ、つつつ、掴っ…掴っっつかっつかっ掴っ掴…、つ か ん だ」ってやつです。

掴んだって言っても手を使えないサッカーの話なんですが、主人公のアシトが試合を通じてどんどんサッカーのコツを掴んでいくんですね。

コツを掴む前のアシトが言った、印象に残ったセリフがこれ。

「何かをつかみかけているあの感覚が、戻ってきた...!! でも問題は、これが感覚でしかねえってことなんや。具体的に一体何のプレーが自分をここまで震わせているのか、言語化できてねえってことなんや…!!」

似たようなセリフを吐いたことのあるデザイナーさんはいませんか。自分はありますよ、「自分のデザインが言語化できてねぇ…」ってね。

デザインの言語化とは

デザイナーのスキルのひとつとして語られるデザインの言語化ですが、具体的に何ができていれば言語化ができていると言えるのでしょうか? 自分は客観的事実を根拠にデザインを伝えることだと思っています。

言語化できていない例として、「こちらのUIデザインの方が見やすくて使いやすいです 👩‍🎨 」という伝え方。人によって「見やすさ」の感じ方は異なるので、ユーザーにとっても使いやすいのか疑問の余地があります。主観や個人の感想を根拠にデザインの良し悪しを語ると、各々の感想の言い合いになって、議論がまとまらなくなってしまうことがあります。

一方で「こちらのUIデザインの方が入力項目が少ないため、アンケート回答の離脱率を下げる効果が期待できます 👩‍🎨 」という伝え方だとどうでしょう。入力項目が少ないかは数えれば誰でも確認できるので、先の例より同意を得られやすいです。また個人の感覚に依存しないため「もっと入力項目を減らせないか?」など、さらなる改善について意見交換することが容易になります。

客観的事実を根拠にデザインの意図を伝えることで、建設的な議論がしやすくなるし、言語化した事柄が真実だと確認できたとき、それがデザインのコツとしてストックされていきます。アシトみたいですね。

目的に対してデザインがどう機能するか

デザインの良し悪しについて意見交換する場合、目的にとって有効かどうかを常に念頭に置く必要があります。

デザインはよく「問題解決」と表現されますが、自分は「目的に応じた物事の最適化」と捉えています。達成したいこと(目的)のために様々な手段を講じて望ましい結果を出す(最適化)ということです。

ちなみに、デザインという概念は産業革命時代のアーツ・アンド・クラフツ運動によって誕生したらしいです。職人により手作業で作られた商品と比べて、機械によって大量生産された商品が低品質と見なされていました。そこで「低価格でも高品質なものを作ろう」という目的のもと、後にデザイナーと呼ばれる人々が動いたそうなんですよね。参考👇

「目的に対して機能するか」を軸にデザインについて議論して改善していければ、目的の達成率を上げることに繋がります。ちなみに先程の例では「アンケートの回答をたくさん集める」という目的に対して、そのデザインがどう機能するかという意図が含まれていました。

「こちらのUIデザインの方が入力項目が少ないため、アンケート回答の離脱率を下げる効果が期待できます 👩‍🎨 」

比較によって言語化はしやすくなる

どうやってデザインを言語化するかという話なんですが、自分は比較することによってデザインの根拠となる客観的事実が発見しやすくなると感じています。

以下、架空の例ですが。

例①

目的:アンケートの回答をたくさん集める

<言語化の過程>
1️⃣  目的に対してどんな特徴が機能するか?
2️⃣ 「素早く入力できる」と離脱が減って回答数増加の可能性がある
3️⃣  提案するデザインは素早く入力できる?
4️⃣  改善前と比べると、入力項目が減っている(客観的事実)
5️⃣  入力項目の減少により、入力の手間も減り、離脱率の低下が期待できる

BeforeとAfterを比較することで「素早く入力できる」を言語化できることがあります。

例②

目的:ブログの読了率を上げる

<言語化の過程>
1️⃣  目的に対してどんな特徴が機能するか?
2️⃣ 「読みやすい」と途中離脱の減少につながり読了率向上の可能性がある
3️⃣  提案するデザインは読みやすいか?
4️⃣  改善前と比べると、行間の値が1.5から1.8に変わっている(客観的事実)
5️⃣
  他社メディアを調査すると、noteは行間が2.0、Yahooニュースは1.81、WIRED.jpは1.75となっている(客観的事実)
6️⃣  
1.75〜2.0の行間は大手メディアで利用されており、多くの人にとって読み慣れている可能性が高い
7️⃣  行間を1.5から1.8に変更することで読みやすさが向上し、読了率も向上する可能性がある。

「読みやすい」も感覚を示す言葉ですが、「読みやすい」を実現しているであろう大手メディアのフォントサイズや行間と比較することによって、読みやすさの根拠をある程度言語化できます。

例③

目的:X街の人口を増やすためのブランディング

<言語化の過程>
1️⃣  どうすれば目的を達成できる?
2️⃣  X街に住むメリットを伝えることができれば、若い世代が移住してくれる可能性がある
3️⃣  調査によってX街は、都心から一時間以内でアクセスできる街の中で緑視率の高い住環境が最も多いと分かった(客観的事実)
4️⃣  家の購入を検討していて東京勤務の20-30代にアンケートを取ったところ、xx%が通勤に1時間掛かっても緑の多い環境に家を建てたいと答えた(客観的事実)
5️⃣  提案するデザインはX街に住むメリットを伝えているか?
6️⃣  X街の緑豊かな住環境と都心に近い立地性を訴求しているため、調査内容と照らし合わせると目的にとって機能する可能性がある。

上記もあくまで例ですが、手元に根拠となる客観的事実がない場合は、調査で獲得する必要があります。デザインの対象を競合などと比較することで、これからデザインするモノの方向性や根拠が得られると考えています。

おわりに

自分はまだまだデザインの言語化を鍛えて、コツをストックしていかねばなと感じているところです。

もし「自分はこんなふうにデザインを言語化してるよ」とかあればぜひ教えてください。

なお事実と向き合う文化の弊社カンムにご興味のある方はこちらをご覧くださいませ。ではまた!


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