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流汗悟道

夏といえば•••

いろいろあると思いますが•••

今の気分は「」です。

この季節、よく汗をかきます。

特別に汗かきだとは思いませんが、
やはり夏にはよく汗をかきます。

まだクールビズなんていう言葉が流行る前、
夏でもスーツにネクタイが当たり前でした。

あの頃、とにかく汗をかきたくなくて、

「どうすれば汗をかかないだろう」

って真剣に考えてたような気がします。

お坊さんになって、夏の作務なんて
汗をかくためにするのかっていうくらい
大量の汗をかきます。

初めの頃はそれがイヤで
一日に何度もシャワーをしたり
すぐに着替えたりしていました。

でも、そのうちに慣れました。

というか、諦めました。

暑ければ汗をかく。

当たり前ですし、自然です。

だから、諦めました。

坐禅をしていると、大量に汗をかきます。

坐ってるだけなのに?

と思われるかもしれませんが
しっかりと汗をかきます。

そんなに「暑い」という感覚はありませんが
おもしろいくらい大量に汗が出てきます。

たぶん、背筋が伸びて、深い呼吸をすることで
血流がよくなり、体温が上がるんでしょうね。

でも、考えてみれば汗はスゴいです。

勝手に体温を調節してくれています。

自分では何もしなくても
体温が上昇すれば自動的に汗が出て
体温を下げてくれます。

ある程度下がれば
自分では何もしなくても勝手に止まって
体温低下を止めてくれます。

もし仮に、自分の体に汗のスイッチがあって
それを自分で押さなきゃいけないとなると•••

きっと、めちゃくちゃ大変です。

とにかく、めんどくさいと思います。

タイミングを間違えたりすると思います。

つい押し忘れたりすることもあるでしょう。

そんなことになると、命に関わります。

必要なときに出て、必要なときに止まる

やっぱり汗はスゴいです。

そして、ありがたいです。

坐禅をしていて

汗が出てきて

その汗が身体をつたっていく

そんな様子を観察していると

汗が出てくるのがわかるような気がします。

身体の中からじわじわと。

注射器をゆっくりと押すことで
細い針先からじわじわと出てくるような

そんな感覚です。

そして、

この汗は自分が出しているんじゃない

ということを実感します。

自分ではない何者かが出しているんです。

この汗は自分の身体から出てきている

ということも実感します。

自分から出る汗

汗をを感じている自分

汗を出している自分以外の何者か

それを他人事のように観察している自分

•••

そんなことをとめどなく考えていると

自分って何なんだろ?

そんな疑問も湧いてきます。

そして、そこにあるのは•••

単に自然(現象)なんだ

というところに落ち着きます。

水が高い所から低い所に流れるように
暑ければ汗が出て、涼しければ止まる

そんな自然を素材にして

自分が創作したフィクションを観ている自分

しかも、

フィクションであることを忘れている自分

日曜日の朝、坐禅後の雑感です。

宗慧

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