1/3の夢
久しぶりに難波に行きました。
20年前に仲間と一緒に会社を作った場所です。
時間があったので、近鉄難波駅で降りて
昔、会社があった辺りまで歩いてみました。
20年前によく行ったお店がなくなっていたり。
20年前にはなかったお店ができていたり。
懐かしさと新鮮さ。
両方が入り混じったような感覚です。
あの頃、お金はありませんでした。
仕事もありませんでした。
なぜか、苦しかった記憶もありません。
仲間だけはいました。
やりたいことをやるために集まった仲間。
同じ思いをもつ仲間だけが集まった会社。
よくけんかもしました。
でも、いつの間にか仲直りしていました。
お金をどうしよう、仕事をどうしよう。
悩みはいつもいっぱいでした。
それでも、つらかった記憶はありません。
たまに、みんなで飲みに行きました。
おしゃれな料理どころか•••
屋根さえもないようなお店に。
そのお店から見上げるとビルの屋上に、
「夢」
の文字が1/3だけ見えました。
誰も全体を見たことはありませんでしたが、
みんな「夢」なんだと信じていました。
あの頃、何ももっていなかった自分たち。
「夢」だけを握りしめていた自分たち。
あれから20年。
あの頃の仲間はバラバラになりました。
今も、それぞれの夢を握りしめています。
自分にとっての20年。
何を手に入れて、何を手放したんだろう
そんなことを思いながらのお散歩でした。
宗慧