コミュニケーション力が際限なく高い人には、きっとなれないけれど。

あぁ、この人には勝てそうもないなぁ
そう思うことが私にはままあるのだけれど、昨日もそんなことをぼんやりと考えていた。

コミュニケーション力。
これって難しいなと、いつも思う。コミュニケーション力を上げられるか否かと問われると、私の答えは「イエス、上げられる」と答えるだろう。

私はそもそも話すのが得意ではない。大学の頃は仲の良い友人2～3人と話すには問題ないけれど、初対面の人と話す場面や、大勢の人がいる場面では寡黙を貫くタイプだった。

転機が訪れたのは、営業をしたこと。
その頃はコミュニケーションスキルを身に付ける努力をしていたし、それなりに自信も持っていた。だから、苦手と思っている人にでも案外、仕事には困らない程度のコミュニケーション力は身に付けられるのではないかと、私は思っている。

けれどその反面、コミュニケーション力の高さの限界値みたいなものは先天的、もしくは幼少期に確立されてしまっているのでは？　と思うこともある。

いくら人と話していても疲れない人、人に囲まれているのが好きな人、話していると自然と人が集まってくる人。

その根底にあるものは……
『人を愛する』能力を持ち合わせているかどうかではないかと、思っている。
この場合の『人』と言うのは誰か一人、愛する人を見つけるという話ではなく、もっと広い意味で、人という生き物を単に愛せるかどうか。

コミュニケーション力も、人に愛される努力も実はテクニック的なものがあって、大人になってからでも身に付けられるように思ってはいる。
だから、生きていく上で、仕事をする上で、あまり問題にはならないのではないだろうか。
それに、どんなに話すのが下手でも、やりたい夢や成し遂げたいものを持っている人なら、たくさんの人、それにお金だって集まってくるだろう。

けれど、『人を愛する』能力を持っているとなると、人工的ではない、もっと自然から来たようなエネルギーを感じることがある。

その人が努力せずに成功していると言いたい訳じゃない。
でも、きっとその能力を幼少期までに得られず、大人になってからとなると……無理とは言わないにしろ、大きなハンマーで思いきり頭を殴られるぐらいの、大きな衝撃を与えない限り、変えるのは難しいかもしれない。。

子供の頃に無条件の愛情をいっぱい注がれた人（生まれて来た、それだけで愛情を受けてきた人）は、他人にも無条件の愛を注げることができると聞いたことがあるけれど、残念ながら私はそのタイプではないかな……。

昨日一緒にいた人は、人を愛せる能力を持っている人だと感じた。そういうタイプの人と一緒にいると、あっ、この人には勝てないなぁと、勝手に敗北宣言をしてしまう。もちろん、人との関りあい方という点においては、と言う意味だけれど。

その人だって他人の悪口も言う。けれど、人が本質的に言われて嫌なことや、人が聞きたくないと思うような一線は絶対に超えない。
人を愛せる人は、世の中にはコミュニケーションを取るのが苦手な人がいることも理解していて、きちんとその人とも距離感を測れるのだなと思う。

私が今まで生きてきた中で感じるのは、大まかに分けると（かなりおおざっぱだけど）、人には二つのタイプに分けられるということ。

・基本的に人を愛していて、その一部に嫌いな人がいるタイプ
・基本的に人には無関心で、その一部に好きな人がいるタイプ

私は後者だ。
こう並べるとすごく後者が悪者に見えてしまうかもしれないけれど、案外後者の人の方が多いのではないだろうか。
前者も後者もコミュニケーション力は上げられることは間違いないけれど、前者に出逢うたまの機会に、どうしても感じてしまうのだ。

あぁ、この人には勝てそうもないな、と。

きっとどこか羨ましいと言う感情もある。けれど、根本的にはそんな、皆を愛すような生き方は出来ない。いや、したくないかなって思っている自分もいる。
だから、大きな、根底を覆すような衝撃がないと、変わらない。
でも世の中には、そのことにコンプレックスを持ってしまっている人もいて、きっと一生懸命足掻いている。

就職活動なんかでコミュニケーション力を問われる機会も多い。人と接する仕事など、もちろん必要な職種が多いからだろう。
けれど、私はもう少し違う生き方もないのか？　と最近考えるようになった。
本質的にコミュニケーションをとるのが得意な人がいるのなら、その人が楽しんで人と話す仕事に就いて欲しい。そうじゃない人もそれぞれ仕事を楽しめる世の中になってほしい。

わがままだろうか？

スグには難しいかもしれない。けれど、同じようにコミュニケーションを取れないと焦ってしまっている人に、「頑張ろう」ではなく、「こんな生き方もあるんだよ」って、示してあげられるような、そんな自分に近づけるよう、今は模索の時期だと、自分に言い聞かせみる。

そんな模索の為に、今日はどんな本を読もうかな？