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人間の無限の可能性を引き出すために、知っておきたい”アレ”のこと
私は今、Cothinker(コシンカー)という、情報のインプットとアウトプットをAIと認知科学で支えるソフトウェアを開発しています。
(サービス紹介はこちら)
今回は、この挑戦を始めるきっかけとなった、ソフトウェアとデザインには人間の無限の可能性を引き出す力があるということについてお話してみたいと思います。
驚くべき、表現と認知の関係
敬愛する認知科学者ドナルド・ノーマンの書籍「人を賢くする道具」より。
「15ゲーム」というゲームが紹介されていました。
「15ゲーム」。ゲームに使う駒は9つの数字ー1、2、3、4、5、6、7、8、9である。プレーヤーは交互に一つずつ数字を選ぶ。一度選ばれた数字をもう一度取ることはできない。取った数字のうちの三つの合計が先に15になったプレーヤーが勝ちというものだ。
実際にやってみようと思うと、「最初にどの数字を選ぶのが良いのか」、「相手が取った数字にどう対応すべきか」を考えるのがちょっと難しいなという印象を受けます。
つづいて、「チックタックトー」。日本で言うところの「◯✗ゲーム」が紹介されていました。
◯のプレーヤーと✗のプレーヤーが、3×3の9マスに交互に「◯」と「✗」を書いていき、3つ揃えた方が勝ちというゲームです。
![](https://assets.st-note.com/img/1696332405158-rZ7Br1A7fQ.png)
「15ゲーム」と比べると、「最初にどこを選ぶべきか」「相手の行動にどう対応すべきか」ということが簡単に分かりますよね?
そしてなんと驚きなのが(勘の良い方は気づいているかと思いますが)、実は「15ゲーム」と「◯✗ゲーム」は実は、数学的には全く同じゲームなんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1696332569223-xk6YxI2cKn.png)
つまり、何が言いたいかというと、「同じ課題・タスクに直面している状態においても、表現(インターフェース、デザイン)によって、人間の問題解決能力は大幅に変わる」ということです。
このことを知ったとき、真っ先に思い出されたのが、このスティーブ・ジョブズのインタビューでした。
10分13秒あたりからご覧ください↓
子供の頃 雑誌である記事を読んだんだ。
様々な動物の移動効率を計測したもので、クマやチンパンジー、鳥や魚などが載っていた。
1キロあたりの消費カロリーをヒトも含めて比較していて1位を獲得したのはコンドルだった。
万物の霊長のはずのヒトは下から3分の1あたり。
だが、誰がひらめいたのか自転車に乗ったヒトも測られた。
コンドルなんて蹴散らしてたよ。
この記事に私は強い衝撃を受けた。
人間は道具を使うことによって、生まれ持った能力を劇的に増幅できるんだ。
”パソコンは脳の自転車”と広告を出したことすらある。
人間は道具によって能力を劇的に増幅できる例として、自転車の例はとても興味深いですよね。
さっきのタスクと表現の話と合わせて考えると、「タスクに合わせてデザインされた道具さえあれば、人間はあらゆる問題を乗り越える可能性を持ちうる」ということなのではないのかなと思います。
さいごに
Cothinkerは「学んだ知識を再利用しやすいように整理する」というタスクに最適化したデザインを徹底的に追求することによって、学習体験をより豊かなものにするツールです。
私は知識管理という分野に取り組んでいますが、素晴らしくデザインされた道具が人を助けることができる領域はまだまだ広いはずです。
私と、ソフトウェア開発、デザインという営みを通して社会問題の解決に取り組んでいる方に幸あれ!
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