私は現在Cothinker(コシンカー)という、ナレッジ管理プラットフォームのPdM兼フロントエンドエンジニアとしてプロダクト開発に従事しています。
Cothinkerは私自身のペインをきっかけ始まったサービスであるがゆえに、「リリース前の段階でどこまでのユーザーリサーチに力を入れるのが効果的か?」という問いに対して少々悩んでおりました。(今も探り探りですが)※Cothinkerについて
その点について、いくらかの先行する議論を参照してみたので、紹介してみたいと思います。
書籍「ユーザーインタビューをはじめよう」におけるセルフデザインへの言及
プロダクト開発周りで迷うことがあったとき、東京大学のアクセラレータープログラムFOUNDXさんの記事をよく参考にさせていただくのですが、先日そちらで紹介されていた、「ユーザーインタビューをはじめよう」という書籍を読んでみました。
こちらの書籍の冒頭で、「セルフデザイン」という言葉を知りました。セルフデザインというのは、「自分自身のために製品をデザインをすること」です。
具体的なメリット・デメリットには言及されていませんが、この書籍ではセルフデザインに対して少々否定的な立場が取られています。
つづいて、「セルフデザイン」なる言葉の生みの親?と思しきジャレッド・スプールさんの議論を見てみましょう。
セルフデザインの成功事例とセルフデザインの限界について
とのことで、セルフデザインによるプロダクトの成功事例について言及しています。また、セルフデザインの限界についても下記のように言及しています。
セルフデザインのメリット
セルフデザインのデメリット
とのことです。元Apple社のジョニー・アイブ氏の書籍を読んでいる限り、セルフデザインのメリットにはそれ以上のものがあるように感じます。(手元に書籍がないので、別の機会に具体的に言及してみます)
Notionは創業期にセルフデザインで失敗?
とのこと。「what we wanted to bring to the world」という言葉のニュアンス的に、Notion創業期のデザインプロセスが厳密にセルフデザインと言えるかは微妙なところですが、こういったこともあったようです。
そもそも、「自分たちが本当に使いたいものを作る」のではなく「自分たちがあるべきと思うものを作る」という思考はセルフデザインを失敗させるのかもしれません。
結論:「セルフデザインはアリ!(ただし、市場が十分に大きくて、ドッグフーディングしまくる場合に限る)」
さて、事例を含めてセルフデザインについて様々議論してまいりました。
私としては、頭こなしに「ユーザーリサーチしていないのはダメだ!」と言うのはナンセンスであり、「自分と同じ悩み、嗜好を持つ人がビジネス目的を達成するのに十分な数存在する」「本当に自分たちが使い続ける」と判断できる限りにおいてはセルフデザインもありなのではないかという結論に至りました。(弊社はユーザーリサーチに力を入れていますw)
私自身UXデザインに関してまだまだひよっこの挑戦者なので、事例・フィードバック・ご意見をいただけると嬉しいです!