2023年 ソムリエ協会セミナーA 酒母の違いによる日本酒の味わいを探求する

例会の話。
昨年と同じお題でした。

講座内容は酒母による味わいの違い、との事でしたが、生酛が一種、あと四種は速醸酛という不思議なラインナップ。

山廃酛も高温糖化酒母もない。

講師はソムリエ協会理事の星山厚豪氏
焼肉店を経営なさりながら、ワイン(MW)と日本酒文化を勉強されていらっしゃる、との事。今回もウェビナーでしたが、ウェビナーならではの良さの方を感じる講座内容でした。
供出温度も、講師、酒蔵の意気が感じられる程良い温度でした。

講座では、酒母には幾つか種類があり、
成立の古い順から

菩提酛
生酛
山廃酛
即醸酛
高温糖化酛

がある、と説明でした。
ただ、ラインナップはほぼ速醸⁉︎
酵母は全部違いました。

ならば
ならば

酒母の違いではなく
酵母の違いでとテーマにしたらどうなのだろうか、
とまた感じてしまう。酒母を語るには酛以外にも私が知らない世界があるのかな。
ちなみに酵母はK901、ジョバンニの調べ、自社培養酵母、一本の酒に複数の酵母を、使用した酒を瓶詰め、開封、ブレンド、再瓶詰めなどとてもバラエティに飛んでいました。


講座で供出された飲料の特定に繋がる事を書いたり、写真を載せたりはできないのですが、酒造さんはソムリエ協会の賛助会員さんなので問題ないかと、広報担当も務められる、杜氏さんや会社の役員さんが主だった面々。

① 小江戸鏡山酒造株式会社(埼玉県)

② 想誉酒造株式会社(栃木県)

③ 菊の司酒造株式会社(岩手県)

④ 西酒造株式会社(鹿児島県)

⑤ 旭酒造株式会社(山口県)

ざっくり蔵元紹介

①は小江戸川越の、醤油屋さんによる酒蔵、観光地川越のツーリズムを後押しする意で2007年創業
②は1872年創業、県内消費量が総出荷量の85%以上を誇る地酒蔵
③は創業250周年記念に盛岡市から雫石町に移転した酒蔵、ここ7〜8年、アルコール添加酒から全量純米仕込みに転向
④鹿児島県は焼酎が名産、革新的な芋焼酎造りで人気をはくしている酒蔵、ワイン、ウイスキーも造っている。日本酒は2019年から
⑤3月にアメリカニューヨーク州にて日本酒酒蔵が完成、純米大吟醸のみを仕込んでいる 

供出された日本酒、どれも美味しい、とカテゴライズされる名品ばかりでした。
でも、ほとんどが1000円代、2000円代(720ml)

たとえばフルボトルのワインで
この価格帯でこれだけ美味しいワインがあるかって、、そうそうないのです(流通コストが低い日本ワインでも)
日本人ってへり下り過ぎて、自己評価が低い人が多いとよく言われますが、日本酒も、日本酒業界もしたり、と感じます。

各酒造場の方々からソムリエ協会セミナー受講者へメッセージ
①日本酒文化を支えてくださって感謝しています。sake diploma 教本を読んで初めて日本全国の酒を知った。(今まで造り手があまり発信してこなかった)日本酒の美味しさの表現をよろしくお願いします。
②sake diploma 教本で日本酒造りの知識を得る事ができるので、読むだけでなく、酒蔵ツーリズムなどで是非酒造りの現場を見にきて欲しい。プレミアム感の高いものだけでなく、通常の価格帯のものにも、それぞれ蔵元の想いは込められているので、気軽に楽しんでいただけたら。
③今日はありがとうございました。
講師からの問いー全量純米酒に変えた理由は?
答えーアルコール添加が悪いわけではないが、せっかく造るのだから、お米本来の味わいを楽しんでもらいたいです。
④日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、全ての酒類に力を注ぎ、良いものを提供したい。
飲み手の世代が一巡したので、ソムリエの方々にアルコールのいろいろな楽しみ方を、また酒造りに関わる人や蔵の背景を伝えて欲しい、そうする事で、業界が盛り上がって行くと思う。
⑤この30年程で、(自分たちで)造っている日本酒が年々美味しくなっているが、いくら美味しい酒を造っても、飲んで下さる方々がいらっらないとどうにもならないと思っている。
ニューヨークの酒蔵では米国人向けの酒を造って行く予定だが、本来のスタイルからは外れないで酒を造っていく。

講師総括
造り手と話ながらテイスティングをする事で、人柄や想いが味わいとリンクする。

日本酒は長らく和食、家庭料理と共に飲用されて来た歴史があり、絶対的なペアリングを探すのはなかなか難しく感じていますが、多くの日本人にとってワインより、身体には馴染みやすいのも事実。
しっかり勉強したあとはゆる〜く楽しみたいものです。

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