読書感想文「ハートドリブン」

タイトル、帯の紹介文、表紙の写真から、普段は絶対に手に取ることのない本だったと思う。以前から思想めいた心理的な題材は苦手で敬遠してきたからである。なんかちょっと宗教臭いなーといった具合に。

何年か前にアドラー心理学を読んで(これも読んだ当初は敬遠してしまう代表格みたいな存在だった)、こういう考え方のアプローチもアリだなとちょっと受け入れることができた経験があった。

このたび、自分の価値観や信念を確認し、充実した仕事人生を得るための作業をしていくという目的があったため、アドラー心理学のときにような別のアプローチで何らかの示唆を得られたらという思いで、読み始めた次第である。

結論からいうと、読んでよかった。

参考になる表現、それはつまり僕が苦手にしていた故に持っていなかった言葉たちだったため、非常に助かった。ああ、そうこういうことを言いたかったんだ、というものがたくさんあった。

僕はハート、感情を大切にした働き方を知らない。
当初は志があったはずだが、組織のなかで認められたい、役に立ちたいという承認欲求のほうが勝ることで、知らず知らずのうちに感情を置いてけぼりにし、それを考えることはプロとして「悪」だと思っていた。
このあたりは少し筆者の性格と被る部分があり、読んでいて共感した。

筆者はこれからの時代、成熟された日本社会では「感情価値」が大事だという。画一的なルール化における幸福度は飽和し、これからは個人、個人の感情といった決して画一ではなく、有形ではないものが求められると。

僕の感情を作る価値観はどこにあるのか、今まさに探している最中なわけなのだが、見つけてからそれをどう魂として認知し、かつ行動に昇華させていくのかが大切であり、その指針や例が記されている。

意義を

筆者のように、何事も共有できるようなパートナーが僕にはいないが、話す相手は探そうと思う。カウンセリングコーチは一つ有効な手段だと再認識した。

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