読書感想文「苦しかった時の話をしようか」

仕事でとても苦しかった時に手にとった本である。

内容としては筆者の自分の娘に向けたという体裁で、彼女の就職活動に向けてどのような選択をすべきか、その考え方を示したものである。

やりたいことがわからない、自分の強みとは行った、職業選択の中で生じる悩みに対し、非常に分かりやすく、何より読み応えのある文章で記されている。とにかくこの筆者の文書能力が高く、読んでいて躍動感を感じられた。もともと書籍化目的ではなく、自分の娘に向けてのメッセージという位置づけであったということもあるのだろう。

やりたいことの見つけ方、強みの見つけ方として記されている方法論自体にはさほど目新しいものはなかったが、そこからの結果の導き方が非常によく整理されている。

書籍タイトルである「苦しかった時の話」は1つの章タイトルであり、なぜこの章のタイトルを本タイトルに抜粋したのかは少し気になるところ。確かに一番インパクトのある章タイトルではあるが。

筆者が苦しんだ過去の出来事である、「劣等感に襲われた時」、「無価値だと追い詰められる時」とは、まさにその時の僕自身の状況であったため文字化しているものを見てすごく安心することができた。こんな優れている人でも過去には自分と同じ失敗や不安を抱えていたことがあるのだ、自分が人一倍弱いが故に感じている特殊な感情ではないのだと認識することができた。

最後にこのような不安感に対して、「不安とは、挑戦する勇敢さと知性の影の部分であり、挑戦をしている証拠」という言葉がある。
極論、挑戦して失敗しても命を取られる訳ではない。だからこれからも怖がらずに失敗していこうと思う。

今回の出来事は明らかな失敗であり、本当に苦しかった。
でも形はどうあれ乗り越えて今も生きている。懲りずやっていき、気づけば成長していて、振り返った時に意味のある時間だったと思えるようにしたい。

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