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長崎の旅



「もしもし?お前も来れば良かったのに。」

講演が終わった後、参加された方々が帰る背中の中からそんな電話のやり取りが聞こえたそうだ。

片付けをしている私に、そう伝えてきてくれたのは会場のスタッフさん。


めずらしくスライドで資料を作ったり、前夜には時間を測りながら大まかなシナリオを書いたりしながら準備をしてきたものの、当日はと言うと1/3もいかないうちにスライドを止めて「実際にからだを動かしてみましょう!」と大きくシナリオを変更したのだった。

そんな事もあり、「本当はココも伝えておきたかったなぁ〜」というようなところをいくつか残しつつも終了したものだから。
自分としては「まだまだだったなぁ…」と内心反省しながら片付けていたところだった。


「帰り際に奥さんにお電話してたんだと思います。“お前も来れば良かったのに”って話されていた方がいましたよ」って。
そんな風に言われたもんだから、びっくりして思わず片付けの手が止まってしまった。


ありがたい。


講演やセミナーでは用意しておいたシナリオが変わってしまうことが多い。
内容が変わるというよりは、ある一部分をより深くお話しする方向へ変わることがほとんどだ。

その場の雰囲気や、参加者の皆さんがどんなことを聞きたいのか、理解できそうな部分を探りながら話しをしていくと、やはり用意したシナリオ通りには行かないのだ。

でも、かといってシナリオを準備していかないと、その臨機応変もうまいこといかない。
だから、必ず大体のシナリオを作ってから講演に入らせてもらうのが私のスタイルだ。


シナリオが変わるのは良くあることだ。
一回一回を大切にしたいからこそ、自分の目線で書いたシナリオより、会場の様子を感じて出すことをして来ているのだが、今回の体験がわたしの気持ちを動かぬものにしてくれた。

「これがわたしのスタイルでOK!」と。

今まできっと、これで良いのか?と、どこか腹を決められていなかった。
「あれだけ準備したのに、これで良かったのだろうか?」と、そんな気持ちになってしまう。

どこへ行くにも、何をやるにも1人で動いていると、終了後は撤収やら何やらとで手いっぱいになることが多い。
そうなると、なかなかこの様な貴重な声を拾うのが難しい。

今回はスタッフさんのお心遣いが本当に手厚かった。本当にとてもありがたいことに。


関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

つづく。

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