英語ニュースで読む世界の動向 8:人種と居住区
今日はイスラエルーガザ問題を論じたWashington postのコラム記事(有料)をきっかけに学んだことを投稿します。
パレスチナ人の居住区であるガザ地区に対するイスラエルの猛攻は目を背けてはいけない状況で、深刻な人道的な問題が起こっています。
ユダヤ人によるパレスチナ人の迫害の様相を呈している一方、ユダヤ人に目を向けてみると彼らも繰り返し差別と迫害の歴史を歩んでいます。これを人種と居住区の視点で見てみます。
ユダヤ人の差別や迫害は旧ナチス時代の強制収容所での大量虐殺を典型的な事例として学校で学びます。
ナチス時代、彼らは虐殺される前はゲットーと呼ばれる居住区で暮らすことを強いられてきました。その後、ナチスはユダヤ人の殺害路線に切り替えていきます。
さてこのゲットーという言葉や概念はドイツで生まれたわけではなく、中世のベネチアで生まれたものでした。
ゲットーが生まれる前、中世ヨーロッパの地中海で金融や古物商を営むユダヤ人は財を築いていたようです。ただ、宗教的な背景をもとに当時の政策としてユダヤ人はベネチアの居住は認められていなかったようです。しかし、当時のベチチア情勢を背景にゲットーが設立されます。
ただし、この当時は
として、排他的でありつつユダヤ人利用しようとする妥協の産物だったようです。すくなくとも、完全に差別的に扱われたわけではないようで、身の危険が確保され、ビジネスを展開することも意図されたようです。
この頃に「ゲットー」という言葉が生まれたようです。
一方、ゲットーという言葉はユダヤ人の居住区という意味だけでなく、アメリカの黒人の居住区を示す用語としても利用されることもあるようです。
歴史的には、1910年台にアメリカにこの言葉は入ってきており、白人が住むところとは明確に区別するために黒人の居住区として設定される際に利用されたようです。当時、American Ghettoと呼ばれる居住区は違憲とされつつも、アメリカの各所で条例として認められたものだったようです。
このように、追いやられた人たち、被差別の人たちが住む場所としてのゲットーを考え始めると、思わず、今日のガザ地区における民間人の人道問題の状況がまるでそのアナロジーのように捉えてしまいそうになります。
ただ、これは本当に正しいのだろうかともう一歩考えてみる必要があります。単純に、イスラエルを悪と捉えると、反ユダヤ主義という間違った認識に結びつき、今度はユダヤ人に対する人道問題に結びつきかねないからです。
宗教、人種問題から解放されている日本人は、あくまでテロや戦争という行為に対して非難し、被差別の人たちは救われる手段を考える大切なポジションにいるべきと思うのでした。
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