育成マネジメント5つのポイント

人を育てることは難しい。
自分の人材育成のやり方は正しいのか?
部下を成長させるマネジメントとは何か?
BCGの人材育成のマネジメントを、自分の職場に当てはめて実践していこうと思う。

参考文献:『BCGの特訓』ボストンコンサルティンググループ 木村亮示さん・木山聡さん

▶目次
①課題は指摘せず気付かせる
②仕事の任せ方のレベル
③マネジメントスタイル
④モチベーションマネジメント
⑤PDCAで自動化

◆①課題は指摘せず気付かせる

✦育成上手は質問上手
「君はこうだ!」「これはこうだ!」と断定するのではなく、しっかり観察した客観的事実を伝えて、質問しながら本人に考えてもらい、会話を通じて気付かせる。
ex) お客さんから見たら、それはどうだろうか?
ex) ○○さんはどう思う?

✦思考→行動→結果
相手の無意識レベルの思考を、「読み解いて解説する」ように努める。「○○ができていない」という説明に対して、「なぜ○○ができていないのか?」という質問はしない。「では、何をやっているのか?」と質問する。
ex)
Aさん:「今の私の課題は、ロジカルシンキングができていないことだと思います。」

育成者:「ロジカルじゃないとすれば、どんな思考プロセスだったの?」

Aさん:「…。論理的に考えた結果を実行したのではなく、似たようなケースで、前にうまくいったやり方をただ繰り返しただけだったかもしれません。」

育成者:「なぜ前回と同じようなやり方でいいと思ったんだろう?」

Aさん:「前にうまくいったときと今回で、前提となる条件が違っていたのに、気が付きませんでした。前回、せっかくうまくいったのに、なぜうまくいったのかという振り返りをしないままだったからだと思います。うまくいったからといって調子に乗っていたのかもしれません。失敗しても、成功しても、きちんと振り返りをして、成功要因や失敗要因を分析しないといけないですね。」

⇒「何をしたのか?」「なぜそうしたのか?」を考えさせることが大切。

◆②仕事の任せ方のレベル(4段階)

 仕事を分解し、任せる仕事の難易度をコントロールする。そのためには、個々の業務の難易度を的確に把握することと、本人の実力を把握することの両方が必要。

✦【論点】Level 4.答えるべき論点
→問いのみ与える。どんな仮説を立てるか、仮説をどう検証するかも含めて本人に考えさせる。

 A社の収益が悪化している。なぜそうなったのか原因を考えてみて。

✦【仮説】Level 3.検証すべき仮説
→問いと仮説は与えて、検証の部分だけを本人にやらせる。

A社の収益が悪化している。ドラックストア業界の再編に伴う在庫調整の影響で家庭用の売上数量が減少している可能性があるんだけど、調べてみて。

✦【タスク】Level 2.仮説検証のタスク
→問いに対する仮説を立て、検証するためにはこうした作業が必要だ、というところまで与え、「○○を立証するためのデータを集めて」と任せる。

A社の収益が悪化している。ドラックストア業界の再編に伴う在庫調整の影響で家庭用の売上数量が減少している可能性があるんだけど、主要販売先B社とC社の店舗数と売上数量がここ3年でどう変化したか、分析してくれる?

✦【作業】Level 1.個別作業
→「△△のデータをこのように調べて、こうゆうフォーマットで整理して」という作業レベルまで落とし込んで指示する。

A社の収益が悪化している。ドラックストア業界の再編に伴う在庫調整の影響で家庭用の売上数量が減少している可能性があるんだけど、ネットで各社のHPから、主要販売先B社とC社の店舗数がここ3年でどう変化したか、決算書の売上明細と付け合わせて、こんな感じの表にまとめてくれる?ここにはこんな数字とこんな数字を入れて、最後にこの行の数字を折れ線グラフにしてまとめてみて。

◆③マネジメントスタイル

✦ハンズオフ(結果のマネジメント)
✦ハンズオン(プロセスのマネジメント)

→相手によって使い分ける
ex) 若手社員の○○さんは徐々に成長してきたからハンズオフよりのオン
ex) 中堅社員の△△さんは心配症だから、最初だけハンズオンにして、その後はオフ

→タイミングによって使い分ける
ex)この案件は初めてだろうから、最初(初回面談・与信設計・条件交渉)と最後(契約)はよりハンズオンにして、その間(社内調整・融資事務)をハンズオフ

◆④モチベーションマネジメント

✦6割の安心と4割の不安
   6割の安心とは、「自分に期待してくれている」「厳しい言葉も、そうした期待感からだ」「失敗したとしても、ケツを拭ってくれる」という安心感。そして、「自分は頑張れば成長できる」「お客さんの役に立てる」という、自分を信じる気持ち。
   4割の不安とは、「まだ自分には課題がある、成長が足りない」「お客さまの役に立てていなくて悔しい」「頑張らないと、できるようにならないと」という気持ち。
→任せる業務の難易度と本人の実力をマッチングさせ、6割の安心と4割の不安のバランスがとれた状態を意識的に作り出す。

✦双方の合意で指導する
    本人に成長意欲、頑張る意欲があることが大前提。最初に、これから集中的な特訓をすることを相手に宣言すると同時に、育成される側の同意を得る。そこでは「厳しくやるが、見捨てない」をきちんと伝える。育つ側も育てる側も覚悟が必要。

◆⑤PDCAで自動化

【P】適切な仕事を任せる
【D】コントロールできる範囲内であえて失敗させる
【C】修正・フィードバック
【A】アクションベースでアドバイス

◆かっちゃん侍の実践チェックポイント

☑質問しているか?(○○さんはどう思う?何をしたの?なぜそうしたの?)

☑仕事を4つのレベルに分解しているか?

☑ハンズオン?orハンズオフ?

☑6割の安心を与えているか?

☑アクションベースでアドバイスしているか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?