いる社員、いらない社員

部屋の掃除をしていたら、昔に買ったある雑誌を発見。パラパラ目を通してみたら、結構良いこと書いていたのでメモに残します。

「今後10~20年で今ある仕事の47%がなくなる」という英オックスフォード大学の研究結果がある。では、どんな仕事が生き残るのか、どんなスキルを磨けばいいのか。

参考情報:PRESIDENT『いる社員、いらない社員』元マッキンゼー・アンド・カンパニー 大前研一さん

▶目次
・マッキンゼーが求める能力
・求められるのはリーダーシップ
・AI•ロボットに代わられる主な仕事の一例
・どんな職種が生き残るのか

◆マッキンゼーが求める能力
マッキンゼー時代、優れた人材をディレクターに引き上げるときに重視していた能力、スキルがある。それはリーダーシップ。統率力、指導力、判断力、構想力といったリーダーの素質を見極めるときに判断材料にしていたのは、議論を主導して答えにたどり着かせる能力や技術。

【具体例】何かの議論をしているときに途中で入っていって、5分間でその議論を主導できるかどうか。頭から参加していれば、議論の流れをつかまえて自分のペースに持ち込むのはたやすい。そうではなく、堂々巡りしている状況で、途中から参加して議論をまとめあげる。「そもそも議論の方向が間違っている。この議論を決着させるには3つの方法しかない。これとこれとこれだ。なぜなら…」と議論の筋道を示して参加者を「そうだな」と納得させ、5分後には議論をリードする。

◆求められるのはリーダーシップ
どんな文脈でもポンと議論に割って入って、話を5分も聞いただけで議論を収束させる方向性を見いだし、「もし答えがあるならこうではないか」と仮説を明示しながら議論をリードし、いつの間にか皆がその方向で議論するうちに「答え」にたどり着く。何のバイアスも持たずに事実や各種の事例をすべて俎上に載せて、必要条件と十分条件を洗い出して「答え」に迫る。そういう、真の解決策を探り当てる際のリーダーシップが求められる。

【理由】サイバー経済やボーダレス経済の進展によって経済そのものが抜本的に変わってしまったから。従来はどこかにある答えを見つけてくればよかった。今後は、答えのない世界で、どうやって答えにたどり着くのか。このプロセスが重要になる。

◆AI・ロボットに代わられる主な仕事の一例
・電話営業員
・手縫い裁縫師
・経理担当者
・データ入力者
・ローン審査員
・銀行窓口係
・レジ係
・小売り営業員
・医療事務員
・保険営業員
・モデル
・クレジットカードの審査員
・法律事務所の事務員、秘書
・コールセンターのオペレーター
・保険契約の審査員
・税務申告書作成者
・飛び込み営業員
・不動産ブローカー
・タクシー運転手
※ 英オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン准教授「雇用の未来」より

◆どんな職種が生き残るのか
単純作業の多くはコンピュータやロボットになって自動化されていく。もしくは、移民などに取って代わられるだろう。しかし、機械が代替できない仕事もある。例えば、建設現場でも熟練工の仕事はロボット重機がこなせるようになるかもしれないが、現場ごとに複雑な状況に応じて足場を組むとび職のような仕事は機械では難しい。また、サービス業にしてもホテルのフロント業務はロボットでも務まるが、高級ホテルのきめの細やかなホスピタリティは、人の手によらなければ提供できない。介護ロボットが介護士の仕事をすべて代替できるかといえば、これもできない。

将来にどんな職種が生き残るかといえば、すべての職種が生き残る可能性がある。あらゆる職種で機械に置き換わる部分が出てくるが、人間にしかできない仕事は最後まで残るからだ。以下、リーダーシップという観点から、2つ具体例をあげてみる。

【教師】
答えを教える仕事は将来的には100%コンピュータに置き換えられるだろう。すでにある答えならネットでいくらでも検索できるし、ロボット教師が全国に1人いればいい。しかし答えが合っているかどうかではなく、生徒の思考の癖や行動パターンを洞察して、「君のこういう考え方はきわめて危険だから、改めたほうがいい」と道徳や倫理的な問題も含めて指導することはコンピュータにはできない。生徒同士のディベートを中立的な立場でサポートして議論を活性化したり、実りある方向に導いたりするファシリテーター的な仕事も生身の教師でなければできない。生徒1人1人の個性を見極めて能力を引き出したり伸ばしたりする指導(カウンセリング)ができる人材なら今後も教育現場で必要とされる。

【コンサルティング】
人間や組織の内面まで観察して、表面的な数字では捉えきれない課題を抽出し、課題解決をアドバイスする。こうしたコンサルティングは機械的にはできない。会計士の仕事にしても、税務処理など機械でできる業務は機械に置き換わっていく。従って、帳簿や財務諸表の内容から業務改善を提案したり、時流の変化や制度改正などを先取りして早めの対策をアドバイスしたりするといったコンサルティング業務に移っていくだろう。医者や弁護士、税理士などのサムライ業にも共通して言えることで、定型業務がどんどん自動化されていく中で、いかにプラスαの付加価値を提供できるかが生き残りの鍵になる。

⇒真の解決策を探り当てる際のリーダーシップは、AIでは取って代われない。どんな商売であれ、機械ができない創造的な領域の仕事は生き残る。

◆かっちゃん侍の一言
あなたは「いる社員」になれそうですか?
10〜20年後に今の仕事がなくなるということは、逆に言えば、まだ10〜20年(2013年論文発表につき、実際は残り3〜13年)は今の仕事が続くということ。これまでの自分のキャリアを見つめ直し、キャリアアップ・キャリアチェンジするには十分な時間がある。だから、今はスキルを磨こう。

◆かっちゃん侍の実践チェックポイント
議論をリード・活性化するために、
☑ 中立的な立場であるか?
☑ 人間や組織の内面を見ているか?
☑ 全体像を把握できているか?
☑ 論点を整理できているか?
☑ 解決策や選択肢を複数持っているか?

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