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アイディアマンになる

他の人がそう簡単には出せないアイディアを提供して、人を助けたり、仕事やプロジェクトに貢献できる人は、誰からも頼りにされます。誰もが一緒に仕事をしたいと思います。そして何よりも周りの誰からも信頼されます。

自分がそんなアイディアマンになれれば、周りの人やプロジェクトに貢献できるし、仲間からもいつも応援してもらいやすくなり、Win-Winのギバーでいられます。

まだまだ程遠いですが、僕がそんな理想のアイディアマンに少しでも近づけるために気をつけていることです。

ステップ1.重要な情報だけを効率よく集める

僕はアメリカの製薬会社で働く、日本人研究者です。新薬開発のプロジェクトで重視すべきは、完璧性よりスピード(時間)です。ある課題に対してアイディアを出す必要がある時、情報を網羅的に集め、いくら素晴らしいアイディアを出しても、時間がかかりすぎていては、賞味期限切れになってしまいます。磨くべき能力は、検索力と見極め力。いかに効率よく、時にはズルく、重要な情報だけを集められるか?の検索力。役に立たないゴミだらけの情報の中から、本当に信頼できる有用情報だけを選りすぐる見極め力が重要です。この能力を鍛えるには場数を踏んで、自分なりの要領と直感を養うしかありません。自分の専門分野であれば、短時間で効率良くできるし、専門分野から離れるに連れ、時間もかかり効率も悪くなります。逆に言えば、これが短時間で効率良くできる分野が、自分の専門分野・得意分野であり、その分野が広い人ほど重宝される人材になれるということでしょう。

ステップ2.集めた重要情報を俯瞰できるように整理する

論理的思考を駆使して、自分が収集して見極めた重要情報同士の関連性を整理します。例えば、
「Aが起こるとBは減少するのに対して、Cは劇的に増加する」など
特に緻密な数字計算はこの論理的思考でしかできないので、この作業で十分行う必要があります。例えば
「Aは、Bの0.01%に過ぎない」など
もし課題のゴールが新たなアイディアを出すことでなく、情報収集・整理だけであればこのステップ1、2の作業で仕事は完了とできます。重要情報だけをよりすぐって、それを分かりやすく関連づけられれば、誰もが重宝してくれるプレゼンや資料を提供できます。

繰り返しになりますが、このステップ1、2の作業を超短期間でできる分野が、自分の専門分野・得意分野となり、その分野が大きくなればなるほど、自分の存在価値も大きくなることになります。

ステップ3.デフォルト・モード・ネットワーク時の閃きを待つ

課題に対して、重要情報を整理して分かりやすくまとめるだけでなく、他の人がそう簡単には思いつかない画期的なアイディアを出したい時は、この3つ目のステップが必要です。

ステップ1、2を自分の納得いくまで行ったら、それを寝かせます。自分のデフォルトモードネットワーク(DMW, Default Mode Network)を利用して閃きを待つのです。DMWとは青砥瑞人さん著の「BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは」(下記リンク参照)などで詳しく説明されていますが、簡単に言うと意識して何も考え込んでいない、ぼ~っとリラックスした状態です。ところが、そんな状態の時の方が、何とか根性でアイディアをひねり出そうとしている時とは全く異なる角度・視点からの創造的なアイディアが出やすいのです。僕にとって最もDMWの状態が得られやすいのが、リラックスしてお風呂に入っている時、早朝散歩の時、その他ボーッとしている時です。思いついたら忘れないようにすかさずメモるか、自分宛てにメールを送るようにしています。

重要なことは、ステップ1,2が不十分なのに、ただボ~っとしても良いアイディアは降りてきてはくれません。ステップ1,2に完璧性を求めすぎて時間をかけすぎてはいけないが、自分がしっくり行き納得できるまでの完了形までにはしておかないと、寝かしても閃きは訪れないのです。特に論理的思考、その中でも数字計算は、DMW時には全く働かないので、ステップ2で徹底的に行なって自分の潜在意識の中に刷り込んでおかなければ、よい閃きに利用することはできません。

そしてもう一歩

さらにもう一歩進んだアイディアマンになるには、これを自分のアイディアで終わらせないことです。自分の周りには自分と同じ専門分野の仲間や全く別の専門分野の仲間がいます。これらの頭脳を利用しない手はありません。仲間に自分のアイディアを披露した後、チーム全体でステップ1,2を繰り返すのです。それによって更にマチュアになった整理された情報を寝かせておくと、さらなる面白いアイディアが自分からも、チームメンバーの誰かからも出てきます。
これを繰り返すことにより、自分もチームも成長できると思ってます。








#私にとってはたらくとは

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