加藤幸彦(エス)

人の住む家をつくっている・一級建築士事務所エス(東京都杉並区)

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最近の記事

半地下のある家・工事費用について。

連続note「半地下のある家。容積率以上の2世帯住宅を設計する。」 今回は費用のお話。 工事費の面から設計方法を考えます。 地面を掘る費用 土を掘るだけで掛かるお金。 掘って、その土を運搬して処分する。結構お金がかかります。 ざっくりと書きます。 全体面積100〜130㎡(地下含む)の建物で、単純化して全体工事費をが3000万円と仮定します。 仮に完全地下室にした場合、地面を掘るだけで約200〜250万円(工事費全体の約7〜8%)が必要。 半地下の場合、約100万円

    • 地下室をつかって容積率制限×1.5倍にする

      さて、「2世帯住宅=単世帯住宅×1.5倍」となることが分かりました。 高さ制限と容積率制限が厳しい、しかも小さな土地で、1.5倍をいかに実現させるか? 東京のごく普通の住宅地で2世帯住宅をつくるには、専門的な知識とそれをデザインに応用していく技が必要です。本題に入っていきましょう。 : 断面(立体)で考える面積が1.5倍の建物をつくる方法を、立体的に考えてみましょう。下の「断面図」を見てください。 図のように3パターンあります。 土地の広さ、容積率制限、高さ制限によ

      • 2世帯住宅=単世帯住宅×1.5倍

        連続note「半地下のある家。容積率制限以上の2世帯住宅を設計する」(1) : それでは具体的検討を始めましょう。 2世帯住宅のプランと面積(広さ)について、エスの作品事例をひも解きながら進めます。 エスの設計による2世帯住宅。間取りを検証。 前回記事の「土地面積&建物面積の分布図」を再掲します。 最近10年間で私が設計したおよそ30件の木造住宅の、土地面積と建物面積の比較分布図です。 この中から3つの事例をピックアップします。 事例A 都心としては少し広めの10

        • 小さな土地で2世帯住宅は可能か?

          連続note「半地下のある家。容積率以上の2世帯住宅を設計する」(序) 建築家、加藤幸彦(エス)です。 都内を中心に、住宅などを中心に設計活動をしています。ちょくちょくメールなどで新築計画の相談もいただきます。 その問合せの中で多いテーマとのひとつが「2世帯住宅」。 2世帯住宅、わりと難易度の高いものでして、設計も一筋縄ではいかないことが多いです。 : さて、いきなりのお題。 「小さな土地で2世帯住宅は可能か?」 可能なんでしょうか? 結論から書いてしまいま

        半地下のある家・工事費用について。

          近作紹介:「海のいえ、風の工房」

          「海のいえ、風の工房」。 春のあたたかな日曜日、久しぶりに湘南新宿ラインに揺られ、再訪。 暮らしぶりを拝見がてら、完成写真の撮影を行ってきました。 :: 神奈川県、海岸すぐ近くに建てられた「家」。 家でありながら、家っぽくない。 ラフで自由なライフスタイルの実現と、ワークショップやパーティーを気軽に開催できる、まさに「開かれた家」。 「家」の概念をちょっぴり拡張した楽しい場所ができあがりました。 :: 外壁は、無垢の木材、塗装なし。まずは外観から。 壁にはアメリカ西

          近作紹介:「海のいえ、風の工房」