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地下室をつかって容積率制限×1.5倍にする

さて、「2世帯住宅=単世帯住宅×1.5倍」となることが分かりました。

高さ制限と容積率制限が厳しい、しかも小さな土地で、1.5倍をいかに実現させるか?

東京のごく普通の住宅地で2世帯住宅をつくるには、専門的な知識とそれをデザインに応用していく技が必要です。本題に入っていきましょう。

断面(立体)で考える

面積が1.5倍の建物をつくる方法を、立体的に考えてみましょう。下の断面図」を見てください。

図のように3パターンあります。
土地の広さ、容積率制限、高さ制限によって、構成が異なります。


このうち、一番の図が、もっとも条件の厳しい土地のパターンです。
高さ制限も容積率制限も厳しい

しかし、このような場所が、東京の住宅地としてはわりと一般的でもあるのです。厳しい状況が「一般的」、これが現実。

でも、くじけずに進んでいきましょう。

地下室を容積率から除外できる、という緩和規定

さて本題です。
建物の用途が「住宅」であれば「一定条件をみたす地下室は容積率から除外できる」という建築基準法の緩和規定。

法令どおりに書けば、「地下室まで含んだ総面積の1/3は、容積率制限から除外できる」

ややこしいですね。

言いかえると、

「地上階の合計面積の1/2の広さの地下室は、容積率から除外が可能」

つまり

「地上階=1、地下室=0.5。容積率制限の1.5倍の建物が可能」ということ。

なんと「2世帯住宅=単世帯住宅×1.5倍」というテーゼに見事に合致するではないですか!

ところで、以前(かなり昔です、インターネット初期のメルマガ時代..)、そのことを書いた記事があります。詳しくはそちらを読んでください。

地下室ではなく、半地下室に

地下室をつくれば、1.5倍の面積ができる、ということまでは分かりました。
でも、地下室はじめじめ、日当たりも悪い..
それなら「半地下にすればいい」

完全地下室とは違って、半地下室ならば窓からの光と通風が確保できますね。やはり「地下に住む」となると、半地下にしておきたいところです。

しかし、半地下にすると実はもうひとつのメリットがあるのです。
そのメリットとは「コスト削減」
完全地下室よりも半地下の方が低コストになる、ということは直感的に分かると思います。が、じつは少し奥が深い。

さらに、つぎの回では具体的に考えていきましょう。


なぜコストが安くなるか?

その答えの中に「半地下2世帯住宅・設計のコツ」があるのです。


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