初めての献血。
先日、ふと思い立って献血をした。
ちょっと調べ物があって、近くの大型書店を訪れた際に、書店の地下にある献血ルームの看板が目に入った。
以前から、書店の地下に献血ルームがあることは知っていたけれど、実際に献血をしてみようという気持ちになったことはあまりなかった。
しかし、その日はなぜだか「いつもと違うことをする」という意識が朝から頭にあって、これまではスルーしてしまっていた献血ルームになんとなく、本当になんとなく足を運んだ。
今思えば、妻の会社に献血バスが来ていて、妻が献血しようとしたら体重が足りなくて出来なかったという話を最近耳にしていたから、意識の中に”献血する”ということが刷り込まれていたのかもしれない。
私が献血ルームに着いたのは平日のお昼前で、他に来訪者はおらずがらんとしていた。
「ご予約はされていますか?」
と、応対してくれたスタッフの方に声をかけられて、一瞬ドキっとする。
(献血って、予約必要なの??)
予約がなく、初めての献血である旨を伝えると、そのスタッフの方はどうぞこちらに・・・とカウンターを案内してくれて、必要な注意事項や所要時間などについて丁寧に説明してくれた。
事前問診を受けて、待合室で飲み放題のジュースを2杯ほど飲み、ご自由にどうぞのお菓子を少しつまんだところで、名前が呼ばれ、献血台に上がることになった。
初回なので400ml。
私が案内された台のところには、2名の看護士がいた。
1名は新人で、もう1名は私よりも少し年配のいかにもベテランという風格のトレーナーだった。
ここでも受付で聞いた注意事項を改めて説明され、私が了解した旨を伝えると、腕を消毒され、いよいよ採血となる。
私は採血されるときや、予防接種、その他注射を打たれるときには、ついつい針が肌に突き刺さるところを凝視してしまうという、謎の癖がある。
今回の献血もしかりで、凝視していると、思っていた以上に注射針が太いことに気が付き、思わず「けっこう針が太いんですね」とベテラン看護士さんに笑いながら伝えると「太いけれど、その分しっかりと鋭く研いであるので、痛みはそれほどではないはずですよ」と教えてくれた。
実際に、太さの割には大した痛みも無く、あっという間に注射針を通って抜下された血液がチューブから、そして保管用のバッグに溜まっていくのが見えた。
そのベテラン看護士さんに曰く、最近の注射針は細くなって、刺す際の痛みは小さくなった代わりに、ワクチンなど薬液を注入するときに痛みを感じやすくなったような気がするらしい。あと、腕にある痛点を注射針が射止めたかどうかも、実際にどの程度痛みを感じるかの大きな違いになるらしい。
そんなこんなであっという間に献血ははじまり、そして思っていた以上に早く400mlの採血は終了した。時間にして、10分もかからなかったくらいだろうか。
腕から注射針が抜かれ、消毒されて、絆創膏を貼ってもらい、さらに「少しそのまま休んでからお戻りください」と、お茶まで出してくれた。
5~10分ほど休んで、待合室に戻るように言われた際、一瞬きちんと立って歩けるか不安に感じたけれど、なんのことはなくいつも通り歩けて、ちょっと拍子抜けしてしまった。
待合しつで、さらに水分を取るように指示され、テレビに流れてくるお昼の番組をボーっと眺めながら、飲み物を飲み、お菓子を少し摘まんで時間をつぶした。
帰りにお土産として、お菓子とペットボトル飲料をもらい、他に広報誌のようなものも頂いた。
献血ルームに入ってから、出るまで1時間ちょっとくらい。
初回だったので説明の時間もそれなりにあったけれど、次回以降は40分くらいで済みそうな気がする。
ちなみに400mlも採血しても、しっかり水分を取っていれば、血液量自体は2~3日でもとに戻るらしい。(血しょうとか、血液中の成分がしっかり元通りになるまでには、もう少し時間がかかるらしいけれど)
この年になるまで、全く経験してこなかった献血。
これからはもうちょっと意識的にやってみようかな。日にちを決めて、毎年○○の日は献血的な。
募金とはまた違う社会貢献の仕方。
血を抜いてもらっただけで、ちょっとだけ気分がよいような気がする。
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