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新卒カードって何だろう?

最近、毎朝5時くらいに目が覚めます。目覚ましもかけていないのに。なぜだろう。
#あ、カーテン開いてる

さて今日は新卒採用関連のお話です。
最近、就活関連のnoteを見ているとたまに見かける「新卒カード」という言葉。私が就活生だった2005年には存在しなかった言葉です。

どういう意味なんだろ。
教えて、Google先生。

こんなのが出てきました

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なるほど、要するに「新卒」という肩書きを持っていることで、採用試験の際や、入社後の研修時などに、中途採用と比べると、企業側からソフトな対応を受けられるスペシャルカードのことだったのですね。
#新卒の方、違ってたら教えてください

でも私は疑り深い性格なので、一つ一つ自分で確かめてみようと思います。


実務経験やスキルがなくても入社できる

これは半分は賛成、残り半分は疑問符がつきます。

まず「実務経験」に関しては、一切求めていない企業がけっこうあると思います。特に大手ほどその傾向は強いような気がします。私の前職でもお仕事の経験の有無だけで合否に直結するということはありませんでした。

しかし「スキル」に関してはどうでしょうか。そもそも“スキル”という言葉はビッグワード過ぎるので、一概に括ること自体が難しく、ちょっと強引だなぁという印象です。

例えば、営業スキルだったり、一般的なビジネススキルなど、実務経験を基にしたスキルは不問だと思います。
しかし、コミュニケーションスキルだったり、課題解決のスキルだったり、英語スキルなどは、新卒に対しても一定は求めているように思います。

というわけで、私のまとめは「実務経験はなくても良さそうだけど、必要なスキルはいくつかある」です。
#小学生レベルのまとめ

新卒入社すると入社後にしっかり育ててもらえる

これはどうなんだろう。
よく「70:20:10の法則」なんて言われるように、人が成長するためにもっとも大きな影響を持つのは経験(70%)らしいのです。それに続いてアドバイス(20%)と研修(10%)というわけで、新卒研修はちょっとしか成長に影響しないのです。悲しいことに。

前職で新卒研修をしていた時もそうだったのですが、研修をしている最初の数週間から数ヶ月の間は、新卒入社したメンバー間の差異ってのはあんまりないです。
#もちろん飛び抜けて優秀な人はいる

けれど、現場に入った途端にメキメキと成長する人、苦戦する人など差がハッキリ分かれる。

もちろん採用ってめちゃくちゃコストの大きい投資なので、新しく入社した人が戦力になるようあの手この手でサポートする。
けれど、ビジネスの重要な観点として“リソースマネジメント”がある。限られたリソースを何に使えば最大限の成果に繋げられるかを見極めて、諦めなければならないことも出てくる。
新卒への投資期間は1年から長くても2年くらいなのかなぁ。
#次の年には新しい新卒も入ってくるし

しかし諦めてはいけない。
どのタイミングで成長して花が咲くかは、人によるのです。
早い人は数週間で小さな花をつけ始めることもあるし、何年もかかって大化けしてめちゃくちゃ大きな花を咲かせるタイプの人もいる。本当に人によるのです。
#100年に1度しか咲かないサボテンがあるらしい

というわけで、私のまとめは「研修も受けられるけど、それが直接的に実務で役に立つ機会は限定的だし、期間も限られている」って感じでしょうか。
#でも研修が素地となり、経験での学びにつながると信じています。研修担当者の皆さん、頑張って!


中途では入社しづらい会社に入社できる

これはどうなんでしょう。
「中途では入社しづらい会社」存在します。中途採用を積極的に行っていない会社です。

しかし、恐らくこの文脈から察するに人気企業や超が付くほどの大手は中途採用よりも新卒採用の方が入社しやすいってことなのかなぁ。

これは数字で見たほうがよい気がするので、断片的な情報だけれど、例を挙げて考えてみます。

例えば、就活の人気企業ランキングのトップ50に入るような企業の場合、新卒採用時のエントリーは約30,000名〜50,000名くらいあります。
そこから採用に至るのは100〜300名くらいだとすると採用率は0.02%〜1%くらいということになります。
#ざっくり推定です。全然違ってたらツッコミくださいー

一方、中途採用の場合はどうなるか。
もちろん職種にもよりますが、人気企業の採用率は2%〜7%くらいでしょうか。
おおよそ5%以下になると人材紹介のエージェントから「御社は採用基準が厳しめですねぇ」なんて多少の嫌味を言われ始めます。
それに新卒採用と違って選考プロセスを何千人も一気に動かすことが出来ないので、何万人も母集団を作って、そこから絞り込むというのは、効率が悪くコストがかかりすぎてしまうのです。

こうやって考えると、中途採用の方がよっぽど選考の通過率は良さそうです。

こんな風に強引に数字でまとめてしまうと「大手に入ってから転職する方が簡単なんじゃないか?」なんてツッコまれそうですが、皆さんもご存知の通り中途採用は実務経験ありきです。

実力さえあれば“人気企業”にも入社出来るでしょう。人気のランキングは新卒のものとは大きく異なりますが。(稀に運だけで転職出来ちゃう人もいますが、これはまた別の機会に。)

というわけで、私のまとめは「新卒の方が競争は厳しそう」ということになります。


新卒カードにメリットは存在しないのか?

ここまでの内容だと「新卒カード」にメリットが無いような書き方になってしまいましたが、新卒での就職活動にメリットは無いのでしょうか?


いえ、あるんです。

私が思う新卒での就職活動におけるメリットは2つです。

1つ目、相談したり情報交換できる仲間がたくさんいます。
日本の新卒採用はほとんど同じ時期に動きます。従って学生の動きも同じようなタイミングになります。企業情報や選考情報の共有だけじゃなくて、就職活動に対する悩みみたいなものを共有できる仲間がいるというのは心強いものです。
#対して中途転職の場合は結構孤独なものです

2つ目、オトナが気軽に情報をくれます。 
1度就職してしまうと、どこかの「企業の人」になってしまいます。そうすると、ビジネス上の利害関係のことが頭をよぎり、なんでもかんでも大っぴらに話すことが難しくなります。
しかし、相手が学生だと、社会人は質問に対して率直に色んなことを教えてくれます。
#余計な苦労話を聞かされることもあります。


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今回は「新卒カード」について考えてみました。この機会にネットでいくつかのサイトを見ていたところ「新卒カードは捨てるな」的な意見を多く見かけましたが、私は捨てても使ってもどっちでもいいと思います。

だって一度きりの人生だから、自分の好きなようにやるのがよいと思うのです。新卒で入社した人の3割が辞める時代です。副業は認められるし、多様性が受け入れられつつある時代なのです。就職だけがキャリアの選択肢ではないし、自己責任で好きにやればいいと思うのです。

ただ、働くってけっこう面白いことだと思いますし、企業に入ることで、個人だと繋がりが持ちにくい人と関わる機会も得られたりするので、人生のどこかのタイミングで「就職」してみるのは経験としてはアリかなと思っています。
#大学4年の時に卒業したら旅に出ると宣言したら、ゼミの先生から静かに諭されたことはこのだけの秘密です

皆さんの人生が彩り豊かなものになりますように!

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