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採用活動に登場する様々なプレーヤーたち

私はこれまで3社にわたって、立場と役割を変えながら、一貫して採用と人事に関連する業務を行ってきた。

期間にして約15年。

こんな風に書くと、さも採用という仕事が好きで好きでたまらないような人に映るかもしれないけれど、一貫して採用や人事に関連する業務に就いていたのは、完全に偶然である。

もっとはっきりと言ってしまうと、採用の仕事はそこまで好きなわけではない とすら思っていた。

しかし、嫌いなことや苦手なことであれば、そこまで続けられなかっただろうと思い、振り返ってみて、採用という仕事のどこに面白さや魅力を感じていたのかについて、改めて考えてみようと思って昨日のnoteを書き始めた。

前提として私がこれまでどのような役割、立場で採用という仕事に関わってきたのかという前提をサラっと載せておこうと思って書き始めたところ、あっという間に4,000文字近くになってしまった。(無計画に書き始めるとこうなる)

従って、今日はその続き・・・というか、採用という仕事に付随して、どのような役割があるのか、もう少し補足をしておこうと思う。


採用活動の大まかな流れ

採用という仕事がどのような流れで行われているのか、また、そこにどのようなプレーヤーが介在しているのかを、非常にざっくりとまとめてみたのが下図だ。(ちょっと小さく見づらいけれどもご容赦を。)

採用活動の流れと関わるプレーヤー

人員計画から入社に至るまでの全プロセスを、基本的には採用担当が行う。
しかしながら、採用の規模(人数)だったりとか、予算、緊急度、採用担当者のマンパワーなどに応じて、様々な外部業者と連携しながら、採用活動を進める。

ここでは、それぞれの外部業者がどのような役割を担っているのかについて、簡単に紹介してみたい。

アウトソーサー(採用代行会社)

これは読んで字のままですが、採用担当者に変わって、採用業務を代行する役割を担っています。

依頼する業務範疇は、採用計画の立案から内定後フォローまで、一気通貫して対応する場合もあれば、特定のプロセスに特化して、サービスを提供するという場合もあります。

また、こういった採用代行企業というのは、採用業務に関する高い専門性があるため、採用計画の立案のサポートや、採用プロセスの改善といった、コンサルティング的な役割を担う場合もあります。

また、採用管理(応募者情報の管理)に用いるポータルシステムなどを自社開発している場合もあり、代行+システム提案というパッケージになっている場合もあります。

ちなみに依頼する業務範囲と期間(すなわち作業量)によりますが、費用はそれなりにお高め。
何万人と応募者が集まるような大手企業の新卒採用で活躍していることが多いですが、中途採用においても、新規事業の立ち上げであったり、新規出店などにおいて、短期集中的にボリュームのある採用を行う場合などにも利用されることがあります。


採用コンサルティング企業

これもまた読んで字のままですが、採用活動におけるコンサルティングサービスを提供する企業です。
依頼主企業の採用課題に対して、具体的な施策を提案し、採用成功のサポートを行います。

一部のベンチャー企業などを除けば、採用のコンサルティング業務のみを単体で提供している企業よりは、自社メディア(就活サイト)の提案と絡めて、総合的な採用企画の提案を行っているような場合が多いように思います。

依頼主企業の状況やニーズによりますが、選考プロセスの設計であったり、採用ターゲット(人物像)の具現化、説明会ブラッシュアップ、適性検査の提案や、面接官トレーニングや、内定者フォローなど、各選考プロセスに特化したコンサルティングを提供する場合もあります。


採用広告会社

有名どころで言えば、リクナビやマイナビといった就活サイトや、BizreachやLinkedInといったSNSに近いようなサイトも含めて、企業が募集広告を展開できるプラットフォームを運営している企業を指しています。

優良な母集団を築くために、採用広告会社の営業担当と採用担当は協力して、広告の出稿計画を立て、実際の原稿作成などを進めます。

大抵の就活サイトは、4週間掲載で○○万円といった料金モデルで、広告サイズ等によって、金額が異なります。

また、一部の就活サイトにおいては、成果報酬(応募者が〇人ならば○○円や、内定者〇人で○○円)の料金モデルを展開していることもあります。

また、モバイル広告や、紙媒体(フリーペーパー)、ポスティングDMなどのサービスを総合的に展開している業者などもあります。

担当するプロセスとしては、採用計画の立案の一部と母集団形成ということになります。


人材紹介会社

なんというか、これまた名前の通りですね。
採用活動を行っている企業から、求める人物像(経験、能力、資格、キャラクター)と、担当業務、採用条件などの詳細情報を受け、条件に合致する人材を紹介するビジネスを行っている。

基本的には、人材紹介会社に登録している人のデータベースから、条件に見合う人を紹介するが、合致する人材がデータベース内で見つからない場合は、人材紹介会社が求人広告を掲載して、新たに母集団を形成して、その中から紹介するという場合もある。

費用は基本的には成果報酬で、初年度年収の30~35%というところが相場。
しかし、ハイクラス(部長級以上)に特化した人材紹介(ヘッドハンター)などの場合は、初期コスト+成果報酬50%以上というようなケースもある。

ちなみに、いずれの紹介形態であっても、大抵の場合は契約書の中に「入社から〇ヵ月以内に退職となった場合は、紹介料の〇%を返金」というような文言が含まれている。


アウトプレースメント企業

これはひょっとしたら意外と知られていないかもしれない。
形態としては、大きくまとめると人材紹介に当たる。

具体的には、業績悪化等で大規模なリストラを実施しないといけないような企業から依頼を受けて、リストラ対象者を求人募集を行っている企業に紹介を行う。

特筆すべきは、リストラを行う企業がアウトプレースメント企業に手数料を支払っているので、採用コストはゼロ円というところだろう。

しかし、一定規模の採用ボリュームであることなど、アウトプレースメントサービスを受けられる機会は、ある程度限定される。


人材派遣会社

直接雇用のための採用活動の場合、一見すると派遣会社というのは、縁が無いように思う。

しかし、人材派遣会社が提供しているサービスの一つに「紹介予定派遣」というものがある。
これは、一定期間を派遣社員として就業し、期間満了後に直接雇用に切り替えるというものである。

一般的に、直接雇用に比べると、派遣会社へのマージンが発生するため派遣社員を雇用する方がコスト的には高くなる。

紹介予定派遣を導入するメリットとしては、適性や能力について、実際の業務を通じて判断できるところにある。(派遣から直接雇用に切り替える段階で選考を行うこともできる)したがって、採用におけるミスマッチなどを低減させることが出来る。


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今日は、採用活動に関わる様々なプレーヤーについてまとめてみました。
(他にはHPや採用動画の制作会社などもあります)
私が実際に経験したことがあるのは、採用コンサルティング、アウトソーサー、採用広告会社、そして企業内の採用担当という4つ。

次回は、いよいよ採用業務で私が面白かったことや魅力を感じたことについて書いてみようと思います。
(今日もあっという間に3,000文字・・・)


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