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神の如しデザイン担当ベンのプロ意識あふれる仕事を見よ

バンド練をした夜は大体眠れない。

果てのない残業を切り上げ、超不得意分野である「目的地までの移動時間の逆算」をし(でもやっぱりできない)、スタジオに着いたら全集中のリハーサル、スタジオ代の正確な割り勘、今後の動きの打ち合わせ、帰宅途中のライブ告知、深夜にもつれ込む夕食、そして布団に入ると残してきた仕事が前頭葉の最前線に出てきて、今日はあれがダメだった、明日は最優先でこれをして、あっちはこういう調整をせなあかんと、まぁうるさくて困る。

仕事の悩みは、いい仕事の話で打ち消すしかないので、こんな夜中にアレですが、本日は香取さとりと神の如しのドラマーであり、デザイン担当のベンのグレイテストな仕事ぶりを紹介させてほしい。

ベン「今回のジャケは写真にしたい」 さとり「おお」

業種問わず、制作の仕事をしていると必ず出てくる「デザイナー」という肩書きのメンバー。先ほど投稿した「編曲」の仕事と一緒で、デザインを本業にしている人でないとその本質を語るのは難しいと思う。

デザイナーは頭の中のイメージを具現化する仕事と捉えられがちだが、画力やツールを使うスキルあれば誰にでも務まるものかと言うとそうではない。自分が関わるプロジェクトの全体像を見て、そこに必要なものを設計し、狙いに応じたアウトプットで見る人の心を掴むこと。それがプロのデザイナーに期待される仕事だというのは、こんな私にできる一番詳しい説明である。

バンド活動においては、チラシにしても、ジャケットにしても、ひとつひとつがバンドの世界観を構成する大事な要素だ。それぞれの主張がバラバラであってはいけないし、視認性、可読性もきちんと担保しなければ、いくら凝ったデザインでも目的を果たしているとは言えない。

深夜すぎて前置きが長くなってしまったが、要はうちのバンドでデザイン担当をしているベンはそんな仕事を妥協なくこなすプロフェッショナルで、本当に素晴らしいということが言いたいだけなのだ。

ワンマンのフライヤーも毎度すごい

Webコンテンツ制作を仕事にしているといろいろなデザインに出会い、毎度その評価とシビアに向き合うことになる。そんな現場を知る自分から見ても、ベンのディレクションはケチのつけようがない。これを書くだけで変に高ぶった感情が落ち着いてくるくらいには信頼しているし、尊敬している。

3rdアルバムを手にとっていただけたら、ぜひジャケット、ブックレット、CDの盤それぞれのデザインに注目してほしい。ジャケは紙質もだな。ジャケはベンのアイデアで写真をメインにしているが、この色調補正(厳密には違う言い方があるかも)にもかなり手間がかかったと聞いている。「美術科の授業でやるデスクトップの作業が苦手すぎて、卒制でも逃げ切ったのにまさかここでやるとは」と練習の合間にその苦悩を吐露していたが、そんな話がウソに思えるくらいにはきれいに仕上がっている。

1stと2ndは手書き風イラストでした

今回は前回までの2枚の紙ジャケと仕様が異なり、デザインする画面が倍増しているのでさらに大変だったようだ。こちらは各面の色使いに注目してほしい。いつかはこの制作意図をなんらかの形でコンテンツ化したいと思っているが、そんなベンがいうことには「バンドはライブを見てもらってなんぼ」なので今はレコ発ツアーに集中します。

それに加えて、いつもぼーっとしているように見えるベース担当横山顕人(KENT・G・横山は過去の名となった)をデザイン面でうまく活用してくれた点も実にありがたい。これに関してはあえて詳細を伏せておこう。CDを手にとったあなたが「これは横山顕人の仕事かな?」と想像する余地を残すためだ。ほんとは全部言いたい。

各所にこだわりが詰まった香取さとりと神の如しの3rdアルバム『生き物』は3/5から各ライブ会場で、3/14からShungiku Records Onlineで入手可能です。3/5から始まるサブスク配信とあわせて、香取さとりと神の如しの作品をぜひご堪能ください。

大好きなリンツのチョコレート「マンゴー&クリーム」で明日の元気をチャージします。