札幌ドーム18年最終戦

2018シーズン赤黒の背番号9・都倉賢を振り返り【北海道コンサドーレ札幌】

 はじめまして。北海道コンサドーレ札幌サポーターが1人、katouと申します。

 J1リーグ4位となった2018シーズンの振り返り記事を書こうとしていた矢先、トップスコアラー都倉賢選手の移籍が報じられ、遂に12月20日、公式発表にてセレッソ大阪への完全移籍が確定となりました。
 異例の長文メッセージも公式・SNSより発信され、どこかもやもやしていたサポーターもこれで気持ちを切り替えられるというものです。

―――何とか、切り替えたいものです。

 というわけで、全体のシーズン振り返りにあまり登場させるのもネガティブな話になりうるところなので、都倉賢という男の2018シーズンを別記事として、①~⑤の簡単な図表をもとに振り返っていきたいと思います。


①FWとしてはセカンドチョイスに

 2017シーズン途中から加入したジェイ選手、セカンドトップとしても2018シーズンより加入の三好選手との兼ね合いがあり、出場試合数は前年同数でしたが先発数が-10試合。出場時間も-521分(およそ6試合分)となりました。
 今回の移籍に関しては、このあたりもひとつ考えるポイントになったのではないでしょうか。この起用が都倉選手の特性にマッチした結果を導けたのかどうか、これは後で検討します。

②初のJ1リーグ二桁得点を達成

 出場時間は短くなったものの、得点数はJ1キャリア初の二桁に乗せました。特筆すべきは、前年から+5.5%と大幅アップとなったシュート成功率。名古屋グランパスのジョー選手(22.9%)、浦和レッズの興梠選手(21.4%)、2017シーズンのジェイ選手(29.4%)など、(一部PK補正もありますが)シュート5本に1本以上のゴールを決める選手が、得点王争いを繰り広げている印象です。


 加えて、2018シーズンの都倉選手は1試合での複数得点が一度もありませんでした。というより、チームで1試合2ゴールを決めたのは、12節サガン鳥栖戦でのジュリーニョ選手だけでした。2019シーズンに向けて、”点取り屋”が加入すればかなりの底上げになりそうです。はい、アンデルソン・ロペス選手に期待大ですね。

③もっとも試合を決めた男

 2018シーズン、北海道コンサドーレ札幌の勝利数は15。そのうちチーム最多6試合で決勝点を放ちました。40%が都倉選手の決勝点による勝利です。

 ちなみに、決勝点は次点がチャナティップ選手、進藤選手(各2ゴール)、次いでジェイ選手、三好選手、深井選手、ジュリーニョ選手、オウンゴール(各1ゴール)となっています。

④結局先発がベストか、途中交代の切り札がベストか

ここについては、何とも言えない数字を残してくれました。試合終盤での劇的なゴールが多かったので、何となく交代後のゴールが多いのかな……なんて想像していましたが、実際は出場時間に比例して先発時に大半の点を取っています
 同時にとても気になるのが、前半ゴール数0という点です。先発時もゴールはすべて後半です。更に言うと、先発時ゴール時間は平均すると73分、すなわち後半28分を中心に都倉選手はゴールしております。
 “最後まで諦めない男“と読むか、“スロースターター”と読むか……これは賛否両論ありそうですが、私見としては都倉選手個人の特性というよりも、戦術的に試合後半の方がボックス内でシンプルに勝負できる回数が多いことの結果ではと思います。

 ちなみにジェイ選手は2018シーズン、後半15分以降は1点も取っておりません。先発時は平均84分までプレイしており、平均ゴール時間は前半35分。ボール運びやチャンスメイクに貢献度の高かったジェイ選手なので、2019シーズンこの数字はMF陣次第でかなり変化がありそうです。

⑤ラストパス次第ともいえるダイレクトゴール率

 最後になります。身体のどの箇所でシュートを放ったか、およびシュートまでのタッチ数をまとめております。
 2タッチ以上したゴールは12点中2点のみです。2017シーズンから増えた3ゴールはすべて足で決めたダイレクトシュートになります。※ヘディングでのゴールは意外にも1点減っていました。

ちなみに、ペナルティエリア外からのゴールは2017シーズンと合わせても2018シーズンの1点のみでした。シュートレンジに課題はありそうです。

都倉選手の退団を進化へのプロセスに

 北海道コンサドーレ札幌において、フィニッシャーとしての都倉賢という選手は、良くも悪くも後半の、しかも最終盤に結果を残してくれました。ボックス内を仕事場にし、恵まれたフィジカルと巧みな身体操作、ポジショニングによりゴールを重ね、決勝点はチーム最多です。この得点パターンは一つ失われてしまうことを前提に、2019シーズンのチームビルディングを進めていく必要はありそうです。さらには数字外での守備貢献、競り合いの強さ、単純な不気味さ、ピッチ内外での牽引力はなかなか簡単に代替できる部分ではなさそうです。
 他方、セカンドトップとしてのクオリティでいうと、今後の加入選手や白井選手に十分期待できます。菅選手もいつかは面白いかと思っています。総合的な攻撃力アップには、都倉選手以外の明確な核となるプレイヤーを作るというのは、必要なプロセスなのではないかと感じます。

2019シーズン、セレッソ大阪のストライカーとして札幌ドームにやってくる都倉選手をどう止めるか。これもまた楽しみな試合が増えました。明日からは、岩崎選手をはじめ噂される加入選手の発表を待ちながらストーブリーグを楽しむこととします。

長文・駄文、最後まで読んでいただきありがとうございました。
 


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