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車検に通らない軽トラを、私有地で使いたおす

 コミュニティづくりについて発信している人っているのかなぁって思ってyoutubeで「コミュニティ」で検索すると、「コミュニティを作って稼ごう!」みたいな、コミュニティビジネスというか、お客さんを集めて、お客さん同士でコミュニティ作らせて、自動運営化させて、悪く言えば依存させて、そこに商品を売りましょう的な、まぁ世の中、金の世界ですねと思って、暗澹たる気持ちというほどではないけど、まぁヤベェよなこいつは、とか思った今日この頃です。

 去年ね、うっかり軽トラを谷に落としまして。運良く木に引っかかって止まったんですが。山を降りて街に行くときに、あ、忘れ物したと思って、Uターンできる場所まで20メートルほどバックしようとしたんですよ。で、気づいたら横転していた。山道の谷側に落っこちて、軽トラの荷台が杉の木に引っかかって止まったんですが。その衝撃で軽トラのドライブシャフトが曲がってしまって、時速30キロ以上を出すと、グワングワンと異音がするようになったんですよ。

 ちょうど車検の時期だったのですが、車検を通すとなると、盛大に修理しなきゃいけない。何十万か、かかってしまう。もともと3万円とビール1箱しめて3万2400円ほどで知り合いから譲ってもらった1989年製の軽トラですので、修理にお金をかけるつもりは無い。でも、時速20キロぐらいまでなら、まだまだ動く。ということで、車検を通さずに余生を我が家の敷地内だけで走る軽トラとして過ごすことにしたのです。

 車検というのは「公道」を走る場合に必要なのであって、私有地内を走るのには必要ありません。サーキット場を走るレーシングカーに車検が適用されないのと同じ理屈です。そして、中学生のカーレーサーがいるように、免許証がなくても運転して構わない。我が家の敷地内にも道路(私有地)はありますし、そこで草刈りをしてヤギ小屋に運んでとか、薪に使う丸太を運ぶとか、私有地内でも軽トラの出番はいろいろとあるんですよ。という感じの、軽トラというより、乗用運搬車という方が実態に合っていますが。そういう使い方をしています。

 僕は今、山奥でコミュニティを──これは冒頭で言ったようなビジネス目的コミュニティではなく、村づくりという意味ですが、コミュニティを作ろうとしていますが。コミュニティを共同の私有地ということにすると、そこは公道ではないから、道路交通法も適用されない。僕が死にかけの車検無し軽トラを私有地で使うように、自由度が高い使い方を、いろいろとできるのではないか、と思いまして。

 前に、コミュニティ内で経済──ここでの経済というのは、モノやサービスのやり取りということ──を回すときに、お金を介在させなければ、税金も払わなくて済むし、さまざまな規制も関係なくなる、という話をしました。お金をもらって子供の面倒を見るという「保育業務」をする場合、保育士の資格とか、認可とか要るわけですが、知り合いが無料で子供の面倒を見るのに縛りなんか無いわけです。ということで、お金を通さないことで、自由度が高くなるだろうということです。

 同じように、土地に関しても私有地内であれば、色々なことが自由になるだろうな、と。それを個人でやるとすれば、すげー大金持ちになって、マイケルジャクソンのネバーランド的なものを作る、となっちゃうかもしれないけど、100人ぐらいで、しかも地価の安い田舎の土地ならば、広大なコミュニティを築いて、そこで自由度の高い社会を築けるのではないか、と思うわけです。私有地内でお金を使わない、ということで、法律の縛りをかなり外せるのではないか、ということです。

 これも毎度の話というか言い訳ですが、もちろん最高なのは、国レベルで適正な法律が適正に運用されて皆が幸せに暮らすことです。ただ、それをすぐに変えるのは難しい。だったら、自分達で合意できるエリアを、信用をベースにした人間関係、簡単に言えば「知り合い同士」で集まって、ゆるい、自分達が幸せになれる決まりを作りながら、やっていこうという選択肢があるよ、ということです。人が集まれば社会が作れるのだから、好きなように社会を作ってしまえばいい、ということです。

 そういう場合に重要になるのが「土地の知識」だろうな、と思ってます。日本は世界でも有数の自然災害国ですし、地形も複雑だから、それぞれの土地で対処方法が違う。共通ルールを作りにくいんです。なので、コミュニティを田舎に作る場合でも、その土地なら、こういうように生きたら楽だよ、というものを深く知り、共同作業をどの程度行うとか、そういうものが必要になってくる。そこの深掘りが、日本の場合は重要になってくるだろうなと思います。大陸だったらおそらく共通ルールでいけるんですけどね。自然がそんなに変わらないので。

「人の生き方」を考えるときに、哲学的なアプローチもあるけれども。一方で、そもそも人間も動物であり、自然界の一員であり、そして土地はそれぞれで違うのだから、その土地での「人の生き方」があるわけです。ということで、環境に合わせるというアプローチも大切にしていきたい。その土地に合わせた個別の最適解を、法律という、いわば細かい自然を無視した決まり、それを無視することで、より自然適応した楽な生き方ができるのではないか、ということです。またあした。

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