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円安と言わないで、ドル高と言ってほしい

 円安だそうですが。この年になっても、円安とか円高ってのは、よく分からない。というか、言葉が悪いですよね。円安で150円間近!みたいなタイトルって、よくよく考えれば意味不明で。

 そもそも「何に対して円安」なのか、と。言わずもがなで米ドルなんですけど、アメリカの属国ですから。ただ、本来は、米ドルなのか、ユーロなのか、人民元なのか、ルーブルなのか、金(ゴールド)なのか、そのどれに対しての円安なのかは分からない。だから正しくは、「ドル高で150円間近」と言うべきなんです。

 そうすると、あれ、円安なのに数字が上がっているの?という初歩的な意味不明さが回避できる。米ドルが高くなって、相対的に、円が安くなったということですが。さっき言ったように、そもそも円安とか円高というのは無数の対象に対しての円安とか円高なので、そっちの、円という主体じゃなくて、ドルとかユーロとかの客体の高低を言うべきなんです。そしたら、ドル安なら1ドル80円だし、ドル高なら1ドル150円という、分かりやすいことになるわけです。

 で、外国のものはドルで買うんだから、そりゃ、外国から買うもの、すなわち石油とか小麦とかの輸入製品は「高く」なるよね、という、当たり前に論理が繋がるわけです。ってことで、円安って言葉は禁止にして、ドル高って言うべきだと思いますが。そしたら、ひょっとしたら人民元は「人民元高」になっていないかもしれないから、中国から輸入すればいいんじゃね?とか、なる。ま、人民元も高くなっていますけど。

 さて。そういう瑣末な表現の話は、マクラでして。なんで円安になったのか、って考えたんですけど、さっき自分で禁止しておいて速攻で円安とか言っているので、まじ若年性認知症の疑いがありますが。なんでドル高、というか、諸外国通貨高になったのかと考えてみたんですよ。もちろん、そんなことが分かっていて、これからの流れにも確信があれば、カードローンで限界まで借金してフルレバレッジのFXに突っ込みますが。そんな確信はありませんので、その程度の話と思って聞いてもらえればいいんですが。

 この「失われた30年」というやつで、日本以外の諸外国が軒並み、経済成長をする中で、日本の物価はほとんど上がってこなかった。物価というのは本来、ゆるやかに上がるものです。これはなぜかというと、緩やかなインフレ、すなわち通貨価値の減少をしないと、通貨は流通しないからです。通貨の価値が、置けば置くほど自然に上がっていくのなら、使わないですよね。でも、通貨というのは、その名の通り、流通させるためのものですから、価値が減少しないといけない、腐らないといけないんですよ。だからインフレが必要なんです。

 今の70歳ぐらいの世代であれば、初任給は数万円とかだったはずです。それが10年、20年経てば、初任給は20万とかになるわけです。仕事の内容は変わらないのだから、通貨の価値が下がったんです。同じものが10万円なのと、20万円なのでは、これは「仕事の価値が上がった」と捉えることもできますが、モノは変わりません。次の世代が倍、優秀になるわけではないのです。となると、同じモノを倍の通貨でないと交換できなくなっているのだから、通貨の価値が半分になった、と言えるわけです。

 明治時代は10円で家が建った。知らんけど、そのぐらいじゃないですか。で、今では、1000万円で家が建つ。となると、明治時代から現代への100年強で、通貨価値は100万分の1になった、とも言えるわけです。もちろん、生産性が上がっているから、それほどではないでしょうが、100万倍の生産価値になっているわけでもない。ま、通貨価値というのは、このように、普通であれば下落していく、というか、流通させるためには下落させなきゃいけないんです。

 なので毎年「予算」を組んで、国債を発行して、それと引き換えに銀行から通貨(銀行からすれば債務書)を発行してもらい、市中に流通させるわけです。通貨が毎年、毎年、市中に増えていき、ま、一部は税金として回収されますが。

 あの、税金が財源ではありませんから。財源は予算です。通貨発行すれば財源になります。そして、いろいろな産業を調整したりするために、税金というブレーキをかけるわけです。話は、ずれますが、消費税という、消費行為に税をかければ景気が減退するのは当たり前です。こういうように税金は機能するわけです。

 さて、この失われた30年というデフレの世界。僕が小学校の頃と、今と、物価はほとんど変わっていませんから。それは、通貨価値が減少していない、ということです。しかし、この30年の間、諸外国は通貨価値を減少させ続けてきたわけです。だからインフレ、というか、経済成長していたわけです。当然、素人考えですが、そのギャップがかなり大きくなり、今回、一気に噴出しているんじゃないかなと思う。

 円安ですから、文字通り、円という通貨の価値が下落している。30年の間に、本来なら、商品価値が上がらないといけなかったんですよ。おそらく。繰り返しますが、素人考えですよ。と、バリアを張りますが。

 資本主義社会では、利子をつけて通貨を市中銀行が発行するという性格上、それに釣られて、経済発展しないといけません。人口増加なら、そのまま経済発展ですが、人口をキープしたままなら生産効率を上げるとか、新しい価値(幻想ですが)を生み出すとか。そういう、なんらかのモノで成長しないといけなかった。

 それがこの30年、日本ではできなかった。無成長とは言わなくても、諸外国に比べたら低かった。だから物価も上がらない。でも、日本のモノは諸外国から入ってきているものも多い。食料自給率だって低いですからね。となると、日本の物価が上がらないというのは、本当は、不思議なんですよ。内需が比較的多いとはいえ、内需だけの国ではないんですから。諸外国との取引があるんだから、本来は、失われた30年とはいえ、物価はもっと上昇していなきゃいけないんですよ。

 ま、それを日銀とか財務省とかが意識的に抑えていたのか、そんなことは知りませんが。誰かが抑えていたとして、抑えきれなくなってきたのではないか。だから、歯止めを失い、ドルが高くなってきたのではないか。と思うんです。イメージですよ。30年間、小さなひずみが蓄積してきて、ドーンと地震が起きるイメージ。それが今回の円安、というか、ドル高ではないかと、ま、そんなふうに理解しているわけです。とはいえ、いまだに分かりませんね。だってドルとか使わないし。ドルよりメルペイの方が使いますからね。はい。またあした。

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