「え〜すごい!介護の仕事してるの?大変だねぇ。」という有り難いお言葉。


「お仕事、何してるんですか?」

というよくある質問。

「介護です。」

の私の回答の次によく言われるのが、タイトルの通りである。

すごい、偉い、私にはできない、大変でしょ、下の世話してるの?、無理、というマイナスイメージのオンパレード。

いやいや、事務のあなただって、役所で働くあなただって、コンビニの店員をしてるあなただって、なんだって、他人からしたら、すごいし、偉いし、私にはできないし、大変そうだなと思うわけです。

ま、下の世話はないにしろ。

介護の仕事だけが、すごくて、偉くて、大変なわけじゃない。

そう思わず言うと、

「それはそうだけど…」

という不満そうな回答。

「そんなことないよ。大変じゃないよ。」と私が遠慮がちに言っても、所謂3Kのイメージを押し付けて、「大変に決まっている」という烙印がしっかり押されるのだ。

そりゃあ、楽な仕事ですと言ったら、それは嘘になる。

だけど、介護は何も、特別な仕事ではない。

利用者はお金を落としてくれるお客様と言えど、笑ってありがとうと言ってくれる人も数多いし、下の世話だって慣れればお手のモンだ。

そして、もちろん大前提として、生活費のために働いている。
福祉の心に根付いて、すべての高齢者を幸せにするぞ!という熱い思いに駆られたりはしてないし、人並みに腹も立つし、悲しくなったりもする。
ただ目の前におられる人が危ない目に遭わないように仕事をしている。できれば、笑顔で。

生活費のために介護を選ぶのが偉いというなら、私の場合は人生の流れで、そこに置かれただけであり、今一番自分が稼げる職業であるわけだから、ほら、やっぱり偉いと言われるには程遠い。

別に、偉いという表現を頭ごなしに否定するわけではないけれど、そこまで特別扱いしないでくださいという気持ちが強いのだ。

そして、私のひねくれた考え方は、あなたがくれる言葉が自分を馬鹿にされたように思ってしまう。

先述したように3Kと言われる介護。
「給料が安くて、汚くて、きついのに、よくやっているね。」というように聞こえて、「ばかにしやがって」と思うんだ。

そのとき、ふと気づく。
私もある程度、この仕事に誇りを持てるようになったんだなと。

そして、給料に関しては、きっと、皆様が思うよりは安くない。知らないけど、生きていけてますからねと言いたい。

仕事内容と給料が見合ってないと言う人もいるが、私は見合っていると感じている。

だから、余計なお世話なんだ。その特別視。

そして、最後に下の世話について。
あいつら、そう、うんちさん達。あいつらね、喋らないんだ。意思がないんだ。
拭き取れば、流せば、もう存在しないんだ。あいつらの存在は、重症の認知症を患う利用者さんを扱うよりは、とっても簡単なんだ。

介護をやってる人間のことを、偉いとか凄いとか、そう言って表現してくれて有難う。
語弊を恐れずに言えば、熱い気持ちを持っている人もいれば、そうでない人も沢山いる。むしろ、ごまんといる。

だからと言って、後ろ向きに仕事をしているわけでもなければ、手を抜いているわけではない。ただ生きていくために、できることをしているだけなのだ。




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