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国民民主と都民ファの合流は野合です!

昨今、国民民主党と都民ファーストの間で、盛んに政策協議が行われているという話を耳にします。これ自体は、素晴らしいことなのではないかと思います。

しかしその先に、合流というものを見据えているということならば、話は別です。現在、実際に合流の為の協議をしているのではないという前提の中で、万が一の話として、合流を見込んでいると仮定して、お話ししたいと思いますが、都民ファとの合流を考えているという考えですと、なにかと違和感が多いのです。

そもそも、国民民主党の成り立ち

現在の国民民主党は、一昨年の立憲民主党との合流協議の中で、条件的に乗れない人々によって、新しく結党されたという経緯があります。合流に乗れなかった理由というのをざっくりと書くと、以下のような形になります。

■国民民主が立憲との合流を拒んだ理由
・政策の不一致


主に、共産党との関係のことを指します。安保政策、原発政策、改憲への考え方が異なり、非現実的である共産党と選挙協力を深める立憲民主党とは、合流することができないという理由で、合流新党への参加を拒んだわけです。

・合流新党では、フルスペック代表選を実施することにならなかった 

新党結党後、党員・サポーター、地方議員を含めた代表選挙を行わないということで、党内民主主義の面から、合流新党への参加を拒んだ面もあります。

主に、上記の理由で合流に参加しなかったという点については、否定するものではありませんし、否定どころか、当時の私はよくやったと思ったほどです。共産とベッタリで、党内民主主義が成り立っていない立憲とは組めない。まさにごもっともと思いました。

枝野立憲の敗北と、泉立憲の誕生

ただ、その時とはなにかと前提が変わりました。立憲民主党は、昨年の衆院選によって議席を減らしたのです。絶対的秩序として君臨していた枝野執行部は退陣し、中村喜四郎氏や小沢一郎氏、辻元清美氏など、歴戦のベテラン議員が、小選挙区で落選するという事態となります。

その後、立憲民主党は、党員・サポーター、地方議員などを含めた代表選挙、いわゆるフルスペック代表選挙を行いました。その党内民主主義の然るべきプロセスの中で、泉健太さんが立憲民主党の代表となり、泉立憲がスタートしたわけです。

意思は見られても、まだ未確定な共産との関係

泉立憲民主党、枝野立憲の頃とは異なり、共産党との蜜月関係を深めようというスタンスではないように見えます。ただ、これはあくまでも志向の部分、口ではそうは言っていても、まだ明確に共産党切りができているとは言えない状況です。そのいう意味では、志向としては共産党との関係の解消に動いているものの、状態としては、共産党との関係を断ち切れていないというのが、確かの評価なのではないかなあと思います。

いかしいずれにせよ、現在の立憲民主党は以下のような状態にはあるわけです。

■立憲の現状
・共産との関係を含めて、国民民主との政策の一致がまだまだ不明瞭
先述の通り、共産からの脱却の意思は見られても、まだ完全に断ち切れているわけではありません。その点で、政策の一致という意味では、条件を満たしていないと断言できます。

・立憲はフルスペック代表選挙を実施している                      しかしながら、合流協議の頃とは条件は変わり、今の立憲民主党はフルスペック代表選挙を経ています。つまり、党内民主主義の点においては、合流協議の際の障害はなくなっていると断言できます。

そして、都民ファーストの会の現状

さて、それでは都民ファーストの会はどうでしょうか。都民ファーストは元々、東京都知事の小池百合子さんが作り、今では荒木千陽さんが代表を務めています。この荒木代表、「代表選考委員会」なるもので、代表になったとされていますが、それがいわゆる「フルスペック代表選挙」に相当するものなのか、その点は不透明なのではないかと思います。つまりは党内民主主義という点においては、いささかの障害があると見なすことも可能かと思います。

国政政党「ファーストの会」についても、フルスペック代表選挙に相当した民主的プロセスを経ているような形跡も見られず、(見落としがあるかもしれないので、誤りがあればご指摘ください)党内民主主義の面では、危うさを感じ取ることができます。

ただ、政策面においては、共産との連携を進める立場ではないですし、国民民主党との度重なる政策協議を重ねているわけで、一致は有るのと見なすことも可能だと思います。

上述の点を踏まえまして、ファーストの会の現状を整理すると、以下のようになります。

■都民ファの現状
・共産との関係を含めて、政策の一致が見られる

「保守本流路線から大きく離れていく政党や、また選挙目当てに左旋回を強めていく野党。この国の分断すら懸念される中で、強い危機感を持って立ち上がらせていただいた。左右に偏らない、国の真ん中をいく」

と、ファーストの会の結党に際して述べている通り、共産との関係を深化させようというものではないのは確かですし、度重なる政策協議を行っているので、政策が一致していると見なすことができると思います。


・都民ファはフルスペック代表選挙に相当するものを実施していない様子
都民ファーストの会、ファーストの会いずれにしても、いわゆるフルスペック代表選挙に相当する民主的なプロセスを経ていない様子で、この点において、条件を満たしていると言えるかは微妙なところなのではないでしょうか。

都民ファと立憲の条件はほぼ同等ではないか?

現在の立憲民主党、都民ファーストの現在の状況と、国民民主党が立憲民主党との合流を拒んだ理由を整理してみましたが、立憲は、党内民主主義の面では改善が見られるものの、共産との関係は整理ができていません。対して都民ファーストは、政策面では一致しているのかもしれないですが、党内民主主義の面では、必ずしも一致しているようには見えません。

仮に、政策一致は党内民主主義よりも優先されるということならば、党内民主主義という一点において、国民民主党にはさほどの新しさを感じません。

政策一致と党内民主主義は等しい優先順位だとするならば、都民ファには柔和に、立憲にはきつく当たることの合理性がありません。そこは同条件として、公平に扱う必要があるのではないかと考えます。

まさにこの点が、私の抱く違和感であります。

安易に「野合」と断定することは好みませんが、見方次第では、「野合」と見なすこともできるのかなあと思います。

それは、政策協議をしているという理由だけで解消されるものではなくて、党内民主主義への言及もあって初めて、この違和感が無くなるように思います。


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