Navigating the art world 内容紹介その9:「価格戦略」
作品の価格戦略についての章です。
基本的な内容かと思いますが、復習としてチェックしていきましょう。
The Pitfalls of Selling
Don’t Overproduce
商品としての作品を作りすぎるな、という話です。
たとえば描いた絵を次から次へとBASEあたりの簡易ウェブショップに上げていく若い画家を頻繁に目撃します。これでも知らない画家がTLに流れてきたらちゃんと一通りのチェックはしますからね。
日本のアートスクール出身者が言うところの「ドローイング」、つまりササッと手早く描いた何かを1枚8000円やら5000円やら3000円やらでずらりBASEに並べてる人。
よく見かけます。見かけますよね?
でも、(その価格帯の量産品を主力にするつもりでなければ)止めた方が良いとのことです。
安い価格帯で作品を大量放出すべきではない理由は簡単。
描いたものをなんでもかんでも片っ端から売りに出すということは、クオリティゲートが設定されていないか、極めてユルいということです。つまりあなたの「商品としての作品」の平均の品質を下げる方向に作用します。市場からは粗製乱造作家として認知されます。
割安価格で潤沢な作品の供給があるということは「いつでも買える」「誰でも買える」ということです。これはコレクターからすると「あなたの作品を買わない理由」です。
安い作品が潤沢にプライマリやセカンダリで転がっているアーティストの作品をコレクションに加えても、コレクション全体の価値が上がりません。逆に「そんなもん持ってるんすねえ」と思われて・・・
いやほんと、日本を代表する現代アート系ペインターとされている先生の作品が入門用ロードバイクみたいな値段でArtsyに何十枚も並んでるのを見たときの衝撃といったらもう、「わかりみしかない」でしたよ。「やっぱりね」。
あれ? 私なにか変なこと書きました? 忘れてください!!!
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