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自己紹介

以前、Twitterで「脳内マジカルバナナ」といったような言葉を目にした。
脳内で瞬間的に行われる連想ゲームによって物事が数珠繋ぎになるものの、実際に発する言葉はおしまいのワードのみなので、相手にはそのワードが出てくる過程が分からず意味が全く伝わらない、という趣旨だったように思う。
当時は、自分にも少しそういったきらいがあるなくらいにしか思わなかったが、今になって脳内マジカルバナナがいかに危険な思考かを実感している。私の場合、こと恋愛ごととなると途端にマジカルバナナ野郎になってしまうと気づいたからだ。
私は既婚者だが、夫のことをほとんど信用しておらず、その関係は交際前の男女よりも希薄なため、結婚した今も常に恋の駆け引きが必要な状態だ。では、なぜ夫を信じられないかというと、彼がサイコパスだからだ。
先日思いがけずサイコパスの定義を知る機会があったのだが、その内容に絶望したのを覚えている。それは、夫を形づくる要素そのものだったからだ。私の見たサイコパスの特徴は全部で十個。表面上は口達者、利己的・自己中心的、自慢話をする、自分の非を認めない、結果至上主義、平然と嘘をつく、共感ができない、他人を操ろうとする、良心の欠如、刺激を求める、というものだ。もちろん、これらの特徴だけで彼をサイコパスだと判断したのではない。彼が過去現在において私にしたこと、していることが、鬼畜の所業だからだ。ちなみに、よんどころない事情で未来もそうなる予定だ。
母同様、関わらないことが自分の精神衛生上良いのはよく理解しているが、私はそれを選ばない。選択肢が限られる中でこれがまだマシなほうだからだ。となると、今後も夫と関わり続けるわけだが、先述のとおり夫は信用ならない人間なので、私は常にその関係の不安定さに悩まされることとなる。そんなとき、脳内マジカルバナナが開催される。
まず「今度の休みどうする?」から始まる。その後夫の言葉が続くわけだが、マジカルバナナは継続中なので、次に飛び出す言葉は「私のことどう思ってる?」「私はいらないってこと?」などだ。自分で書いていて恐ろしくなる。普段は自分のペースで、自分の価値観を大切にして生きられるのに、恋愛で強いストレスに晒されると、私はしばしばこういうメンヘラな発言をしてしまいがちだ。
「休みどうする?」から「いらないってこと?」に至るまでには、夫が何かしら酷いことを言ったとして、「悲しい」「いやだ」「私のこと嫌いになったからそんなこと言うわけ?」「我慢しているのに分かってくれない」「なんて自分勝手なやつだ」「でもこれを言う勇気はない、逆ギレされるの怖い」「向こうに怒りをぶつけるのではなく、自分のことをどう思っているか再度聞こう」などという思考の変遷がある。ただ、この過程は、私が話さない限り夫が知るはずもないので、支離滅裂な発言により彼からの当たりがさらに強くなることもある。傷つけられるたびに頭がきゅうっと締め付けられ、思わずマジカルバナナのお尻の言葉を言いそうになる。が、そこは堪えて「ゴリラ」と言う。決して「私なんていらないんだ」などと言わない。すると、意外にも夫からはマイルドな言葉が返ってくる。ストレス下の束の間の安堵で泣いてしまう、脳内マジカルバナナ野郎こと私の話。


自己紹介:常に心にゴリラを置いておきたい。

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