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note小説 三十路のオレ、がん患者   第20回 抗がん剤スタート

結局、始まったのは昼過ぎからだった。

何故、前日の昼に入院をしたのか不思議だ。

病院の都合でやるからだろう。

そんなもんだ。


何もしなくても入院生活というのは普段の生活に比べ制限がかかるから可能な限りはギリギリで入院をしたい。


今日は、母が付き添いだ。

手術とは違うので来ても来なくても構わない。

副作用が出たところで母にはどうにもできない。

何かあればナースコールをするまで。


特に点滴室に移動するわけではなく、ベッドにいたまま点滴をされる。
4〜5時間はかかるだろうか。

抗がん剤と言っても1種類の薬だけではなく、複数の薬を組み合わせて点滴が行われる。


開始前に母が握手してきた。

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