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note小説 三十路のオレ、がん患者 第16回 中日 玉川温泉
母はオレに岩盤浴をさせようと躍起になっている。
温泉と効果がそんなに違うのかオレには全然わからない。
オレとしても折角来たから観光気分で見るだけ見てる事にした。
外に出ると、戦隊ものか仮面ライダーで敵と戦うような岩場などが見えた。
と言うか正確に言えば山のふもとになるのか。
あちこちで湯気が出ている。
これが免疫力を上げるのか。
湯気の近くで思い思い御座を敷いて寝ている人があちこちにいる。
もちろん、温泉が湧くくらいだから硫黄の臭いはプンプンしている。
見ると、川に硫黄が流れているのか、硫黄が川になっているのかわからないが、川上に行くと悪魔が出てきそうな勢いでお湯がボコボコ噴き出ている。
その光景に目を奪われたが、母は来た事があるせいか景色には目もくれず岩盤浴のできそうな場所を探している。
御座は支給されていないから出発前に100均での購入をお勧めする。
帰る時に捨ててから帰れるから楽だ。
さあ、怪獣や悪魔は出ないが、熊が出るここで場所探しをどうするか。
定番の場所では屋根が付いていたりする。
我々も適当に場所を決めて岩盤浴を開始した。
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