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米農家は何を作るべきか

さて、先日のコメ需要量の大幅減少の報道を見ていろいろ考えました。
どう頑張っても転作の面積は増える事は覚悟しなければいけないかな、と思っています。
とは言っても、うちは既に作付け面積の4〜5割は小麦や大豆の転作作物を栽培しています。うちは設備的にも経営収支的にもすんなりと受け入れられます。
逆に転作や直播のほうが、労働時間や労働人数を少なくできるので高効率です。
前回も書きましたが、それでもうちは米農家としてのアイデンティティーのせい(おかげ?笑)で米から離れられずにいます。
というか、うちとしては一番底堅い低リスク作物なのでリスクヘッジの観点からも生産を続けています。

近所の人たちが転作を増やしたら…?
これが大きな問題。僕の住む地域は転作率がまさかの10%程度。ほぼコメ(笑)
でもこうなると転作が増える可能性は十分にある。
麦や大豆で米並みの収入を得るのは知識や経験、それとそれなりの設備がなければ北海道ではかなり難しいと感じています。知識や経験は持ってる人と共有すればクリア。
じゃあ、設備ですよ。米作りと畑作物の設備はまるで違うので、新たな設備投資が必要になってくる。でもそれって急に「ハイ、作ります!機械も買います!」ってならないですよね(笑)
っていうか、よっぽどお金に余裕のある人じゃないとやったこともない事業にポーンと投資はしませんね。リスクでかすぎ(笑)

ってなると、転作をやっているうちのような事業体に委託することが考えられますよね。設備投資無しで栽培が開始できて経験値を貯めてから設備投資に踏み切れる。
そうすると受託側の受け入れキャパシティの問題が出てくる。
さてうちは自前の面積+何ヘクタール受け入れられるのか、ってことですよね。

受け入れ可能にするための設備投資が必要になってくるかもしれない⁉︎
それには結構な額の融資も必要だな〜。
じゃあ、費用対効果は?何年で償還できる?その投資はどこで回収する?
………

って考えると、やっぱり農業には経営者としての視点が絶対に必要だと思うんです。
当然、生産技術は常に最新の高いレベルが必要になります。
昔と違って気候も品種も変わったので、「前と同じ」では通用しないと思います。

米農家は何を作るべきか
少なくとも今まで通りお米だけ、というのはもう通用しないんじゃないかと思っています。
供給過剰で米価が下がった時に自分がどれだけ耐えられる経営体力を持っているのか、そのギリギリを考えながら思い切って転換していくタイミングを探る。
何に転換するか、これはもう純粋に国が交付金を出している作物にすべきと思います。作付け時点で交付金の一部が確定するので、経営的にはリスクを減らせます。
その上でコメの需給均衡が落ち着いてくるのを待ってコメに戻るのか、それとも他の作物にどんどんチャレンジするのか、地域の情勢や地方自治体の補助も見ながらよく考えないといけませんね。
僕はこの冬にどうプランを立てるのかで結構違ってくるのではないかと思っています。

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