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遠東記2

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ブログ「遠東記」の続きです。 遠東記(2011.03〜2021.12): https://blog.canpan.info/entoki/
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【速報】能登の高校生が気仙沼の復興をめぐる「問いストーリーCAMP」開催

能登の高校生を気仙沼に招待する夏キャンプ。参加してくれた高校生や運営企画の大学生、地元気仙沼の協力者のおかげで大成功でした!一体何が行われたのか、写真で伝える速報レポートです。 「もし能登の高校生が気仙沼の復興の物語を見に来たら、何を感じるだろう?」という問いがからはじまったこのプロジェクト。気仙沼出身の大学生を中心とした学生チームと企画してきました。みな、高校時代に気仙沼でプロジェクトを起こし探究してきた学生です。 今回参加してくれた能登の高校生は11名。8月4日〜6日

小学生と海へ、中高生と探究を、そして能登…な一週間

島根大学の社会教育主事講習でゼミをひとつ担当することになりました。ゼミを受け持つなんてどきどきです。本講習を修了すると「社会教育士」を名乗れるようになり、私も3年前に履修しました。なんで島根なの?とよく聞かれますが、この業界で島根は先進地で、かれこれ10年ほどせっせと東北から通っています。 7月13日、14日と松江で開講式に臨み、15日、地域・教育魅力化プラットフォームで打ち合わせをして、翌16日気仙沼に帰りました。 小学生と海へ 17日は朝から気仙沼・唐桑半島の滝浜で

能登の高校生「問いストーリーCAMP in 気仙沼」へYahoo!基金の助成が決まりました

いよいよはじまります!能登の高校生を気仙沼に招待する夏キャンプ企画。気仙沼みなとまつりの海上打ち上げ花火と打ちばやし大競演が合図です。 「もし能登の高校生が気仙沼の復興の物語を見に来たら、何を感じるだろう?」という問いがからはじまったこのプロジェクト。気仙沼出身の大学生を中心とした学生チームと企画してきました。みな、高校時代に気仙沼でプロジェクトを起こし探究してきた学生です。 キャンプのテーマは「リフレッシュと探究」 輪島や七尾に下見に行って、高校生たちの話を聞き、意外

どんな人になりたいの?

「なんか(しりとりとか)やろうよ」 それより、おしゃべりしようよ。今日あったこととか教えて。 ゲームの話をしはじめたので、適当に相槌を打つ。 「どんな人になりたいの?」 ふと、不意をついてきた。 うーん。おれは人の役に立ちたいかな。 どんな人になりたいの? 「おれは仕事して仕事してしまくりたい」 なんで? 「貧乏になりたくないから。へへ」 仕事しまくるとお金もらえるの? 「うーん。わかんない」 「おれも人の役に立ちたいな」 そっか。 話は一度ここで途切れ

【仲間募集】もし能登プロジェクト

もし能登の高校生が気仙沼の復興の物語を見に来たら、何を感じるだろう。 いま漠然と不安を感じている高校生。復興に無力感を感じていた。 こんど、彼らを気仙沼に呼ぼう。復興は答えのない探究だったと伝えよう。 ここにはきっと将来への糸口があるはず。 もし能登に気仙沼の大学生や高校生が復興のお手伝いに行ったら、何ができるだろう。 あのとき小学生だったわたし。ボランティアの大学生に遊んでもらった。だから楽しかった記憶もたくさんある。 こんどはわたしが能登に行って小学生と遊ぼう。 あ

2011年→2023年、12年でひと回り

2011年、私がFIWCというチームの一員として気仙沼の唐桑半島で復興支援ボランティア活動を始めたとき、とある民家のお宅のはなれを借りて活動拠点としていた。その家族は「唐桑半島のために活動してくれるなら」と自分たちも被災しているのにも関わらず、私たちボランティアを受け入れてくれた。そのお家には三人の小学生がいて。被災した直後から数ヶ月に渡り、入れ替わり立ち替わりボランティアが自宅にやってくるもんだから、相当なストレスをかけたに違いない。実際、特に4年生になる二番目の子には負担

Dance with the Issueを体感してきました

下北沢の映画館を目指して宮城県の北の端・気仙沼から新幹線でびゅーん。 太田直樹さんの紹介で知りました「Dance with the Issue」という映画。 電力というエネルギーの課題について、コンテンポラリーダンスを通して感じる映画。 頭じゃ分かっていることを、もうちょっと深いどこかで感じ直してみる、という感じ。 さらにおもしろいのが、映画の最後に瞑想タイムがついてること。 監督は舞台挨拶で「映画館って暗いし静かだし瞑想にぴったりじゃんと気づいた。全ての映画がこん

おいでよ大学生インターン

まるオフィスっていうNPOは、立ち上げ直後からずっと大学生インターンがいた会社で。インターンシップの期間は短くて数週間、長くて丸1年間。 毎年2,3月になると「大学休学するんでまるオフィスで1年間インターンさせてくださいー」と急に言ってくる人がいたんですよ。ホントに。なぜか毎年。 それがコロナでパッタリ音沙汰なくなっちゃいまして。大学がない気仙沼の小中高生にとって大変有り難い存在だったんですよね。大学生って。 失って気づくありがたさ。 ところが去年今年あたりから、初め

たった1人のために動ける仕事

2008年2月の頭。大都市広州から250キロほど内陸に入った紫金というまちにいる。バイクが行き交うたびに土埃が舞う中国の田舎まちだ。旧正月の最中で、赤い爆竹の残骸が至るところに散らばっている。 夜、薄暗いホテルの一室から広州にいるタイランに電話をかけていた。「拓馬、村はどうだった?」落ち着いた声。タイランは日本から広州に移住してNGO「JIA」を立ち上げた原田僚太郎のニックネーム。日中の大学生とともにハンセン病問題に取り組むNGOだ。大学1年生の私は、タイランの紹介で先輩と

上半期を振り返ると結構進化してた私たち

2022年度の上半期が終わりました。あっという間でしたね。実はこの上半期の間に、まるオフィスは様変わりしまして。4月なんて、とうの昔。というワケで、このコラムではその進化っぷりをぎゅっとまとめてお伝えします。 進化1:ミッションのリニューアル「地元の課題を学びに変える」という新ミッションを掲げ、2022年度まるオフィスは再スタートを切りました。いよいよ「復興のなんでも屋さん」を完全に卒業したとも言えます。感慨深い… 進化2:ロゴのリニューアル合わせて、2015年の設立より

探究する力をつけて無計画に生きよう

探究学習が目指すもの東日本大震災から11年が経った3月。悲しんでいる人を見るのは辛いです。それは目の前の人であっても、スマホの向こうの人であっても。心がえぐられます。 私の尊敬する気仙沼の先生方が、異動するにあたってメッセージをくれました。「探究する力は、子供たちがいかに自由に生きうるかを探究する根源的な力になります。『探究』の目指す最上位の目標です」「『探究』の目標の1つは、民主的な世界をつくることとも思います。対話し、話合い、最適解を見つけ、協働的な社会をつくるためにも

新しいって何だろう?|「新しい東北」復興・創生の星顕彰受賞

一般社団法人まるオフィスは、令和3年度「新しい東北」復興・創生の星顕彰を受賞しまして、3月13日、仙台で行われた顕彰式にて西銘復興大臣より賞状をいただいてきました。 いつもご寄付やご協賛を通して事業を支えてくださるサポーターの皆さんと、事業ひとつひとつに協力してくださる関係者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。 一昨年、田中復興大臣(当時)より東日本大震災の被災地の復興への貢献に対する感謝状をいただきました。今回は「新しい東北」の創造への寄与を顕彰いただきま

2022年の抱負と阪神・淡路大震災から27年

2022年もどうぞよろしくお願いします。 2年ぶりに家族で帰省したお正月、1年遅れの両親の還暦祝いをしてきました。一番下の弟と子どもたち連れて公園に凧揚げに行ったり、二番目の弟夫婦と夜中まで桃鉄したり。家族はいいですね。 ウィズコロナはまだまだ続きますが、こっちも変異し続けてやろうと思います。 イラストは、年賀用に描いたものです。昨年は、唐桑のお崎さんで七五三のお参りをしました。 さて、私は毎年「今年の漢字」を一年の抱負として正月に考えます。昨年末で最終回を迎えた旧ブ

10年たった今、中2に伝えたいこと

自分のキャリアをスケッチブック一冊にまとめて、中学2年生に熱く語ったことはありますか? まとめ方はもちろん自由です。 私たちはときどき気仙沼の中学校(高校でも)の授業でそんなことを企画してます。地域の大人たちを集めて。 普段はコーディネーターとして企画側にいる私も、2021年話者として挑戦することになりました。ちょうど東日本大震災から10年が経過する春のことです。 ずっと気仙沼・唐桑の人たちに、10年間私を育ててもらった恩を感じていました。その恩は返さずに、次の世代に