7年後のVRでまた会お?〜VARK終了感想戦〜
VARK終了〜〜〜〜〜
2018年の12/24日に正式オープンをしたVARKですが、
2024年の3/4日にクローズしました! 5年と3ヶ月かな?ご愛顧ありがとうございました。
(いやいや、デラライブがあっただのその前の全国配信テストがあっただの諸説ありますが正式にって話です。)
そもそもサービスを終了した時にお気持ち発表とか意味ないと思っている派閥でして、「サービスはある日突然終わる」「理由なんて特になく終わる」という文化にしていきたいなと思いつつ、めっちゃ聞かれるので文章書いてます!
このVARKというサービスは起業しておよそ4つ目のサービスで、toCユーザーから1億円以上売り上げた初めてのプロダクトでした。
これからVRは重くて無骨なものからパーソナルなものに変化していくと捉えて、VRライブの仕様を再定義し、「アーティストのやりたいことに全振り。観客?観客はアーティストのやりたいことを見ろ。お前らの自由度なんて知らん」というハードボイルド仕様にした結果、受けて、ここまで愛していただけるサービスになりました。
と言うことで微かな記憶を辿り、思い出に浸りながら次に繋がる話をします。
思い出①なんで動いているかわからないVRサービス。(2018年8月〜11月)
VRライブって一発勝負なんですが、告知した時にはマジで何も作られていないわけですよ。VARKもそもそも技術的にできるか分からない時にYuNiちゃんところに行って「俺らと一緒に世界に行かないか?(マジで言った)」という謎の交渉のもとライブが決定したわけですよ
3ヶ月で作ったプロトタイプはマジで動かないし(デラさんごめんなさい!!)、僕たちのリリースライブも前日まで動いてないわけですよ。
それもそのはずで、そもそも世の中にVRの開発者が大規模配信なんてやったことなくて、作り方もなんのドキュメントにもなってないんで。(Oculusに100人以上の同説にバグがあるっぽいっていう謎の都市伝説とかありましたね。検証する方法がなくて日本中からOculus GOを集めました。)
で、ここからが重要なんですが、この時代、VRライブは動かなくて返金が当たり前!
なんか大晦日に真っ暗闇に取り残されたカウント0参加者のみんな元気?俺、あれ以来「謝罪は早い方がいい」って学ばせてもらったよ?
僕たちもクリスマスに謝罪に行っていた未来もあったが幸か不幸かライブは成功しました。そしてそのあと多分ラミイさんの公演まで大事故というものはなかったはず!!ラミイさん本当にすみません!!
思い出②乱立とトドメのVサマ!
Vサマ!ってなんでやったかっていうと、VRライブ配信アプリが乱立しすぎたし、作っている企業がみんな大企業で僕たちには到底勝てない資金力を持っていたので
「このまま戦っていたらいつか負ける」「もう会社の預金全部使ってフェスして、勝てなかったらこのサービス終わりにしようぜ」っていう経緯です。
この時ばかりはただの経営判断。クリスマスライブやって、チームが崩壊し、機能不全になってたチームが7ヶ月で全大企業担当者を震撼させて諦めてもらう作戦です。
そう言いながら始めたVtuberフェス(日本で初めてだった)を初音ミクさんと一緒にやらせてもらいました。
結果すごくエモーショナルだったよね。当時のツイッタートレンドは24時間テレビを超えて全国1位がVサマ!でしたね。
僕はこの辺でこのサービスの終わりを見ていました。
ああ、ここまで話題になってみんなが楽しんでくれるサービスだけどVRの普及数がネックだな。これはVRHMDがおよそ5000万台アクティブじゃないと難しいサービスだな。
だったらクオリティではなく技術に投資をしていってもしかしたらのチャンスに賭けたいな。と思っていました。
思い出③ワールド機能リリースとメタバースブーム
2022年VRが普及しないことはVRをやっている人たちから見たらみんなわかり始める時期でした。
あんなにテレビCMしてるのにソフトウェアも人口もまーたく増えない。
これは長丁場になりそうだ。であるならば僕たちは無料で、ユーザーが長期で滞在してくれるサービスを作らなきゃなと。結果、テレビで騒いでいるほどユーザーは滞留せずほとんどVARK初期からのファンがずっといるみたいな状況でしたw
ここの数値データをみて「ああ、やはりVRが普及するのは遠い未来なんだな」と確信しました。
ということで僕の中ではだいたい2022年にはVARKを終了させることを思い描いていたんですが、一緒にライブやってくれていたホロライブさんは非常に気に入ってくれて使い続けてくれて、なんだかんだ今日という日まで来れました。
ただ、会社としては下記を鑑みるとやはりこのタイミングで終了させなければならないなと思いました。
やめた理由① サービスは腐る
僕たちが5年前に作ったシステムは流石にもう色々ガタが来ています。どんなにメンテしてもOculus Goとquest3ではやれる体験が全然違います。
つまり本来的には新しい機体がくるたびに大規模なupdateをしてサービスを作り替えるべきなんですが、
「流石に今じゃなくね〜」
ちなみに2019年時点2024年のVR市場予測はどっかのコンサルが出していたのだと4億台。
僕たちはコンサバなので1億台売れていたら成立するくらいのビジネスを作っていました。
結果2024年でquest2で3000万台程度といわれ、quest3はまさかの売り上げ40%減というね。
閉じるにはいいタイミングでした。やはり成長している産業にこそソフトウェアのアップデートは必要で、伸びているところと一緒にやり続けたい。
やめた理由② 選択と集中
VARK SHORTS やばいのびた。もしチームに一人エンジニアが余っていたら会社としてもその子の今後のキャリアにしてもVARK SHORTSを作ってもらった方がいい。
やめた理由③ VRは2031年
VRって多分5年寝てても捲れるマーケットになったなと思っています。いい意味で技術的に枯れてきています。
要はこの5年の技術進化と今後5年の技術進化は多分前の5年の技術進化の方が早くて、それでもこの程度と理解している俺たちはもし5年後またVRをやりたくなったら余裕で戻って来れるなと感じました。
これは多くのVR技術者たちの功績であり、ただただ人間の技術の進化が社会のニーズの進化より上回っただけのことです。
結局俺が作るサービスは
・みんなに使ってもらって
・新しい
・誰かの活躍の場所を作れるような
そんなサービスを作りたいと思っています。
そう言った意味だと
・VRはもう5年も前からUXがマイナーアップデートのみ
・みんなにも使ってもらえるものになっていないし、ここ2年くらいでは広がらなさそう。
1ユーザーとしてはめっちゃ好きだし、新しいHMDが出たら買う。ただ、経営者として他者を巻き込んでサービスを作るのならば2024年の今はここにいるべきではない。と思いました。
ま、残念なことに弊社は技術力はあるんで突然来月全然違うVRプロダクトを作っているかもしれないので、期待していてください。
勘違いするなよ① VARK社は解散しない
今回のクローズはVARK SHORTSに集中するための決定なんで、メンバーはそのままに仲良く事業やってます。最近新しい駅近のオフィスにみんなで引っ越す予定
勘違いするなよ② VRが嫌いになったわけではない
会社としてメリットがあればいつでもVRに戻って来れるように準備はしてある。VRライブの特許はいまだにVARK社のものなのでVRライブをやろうと思ったらこれから15年は俺たちがどっかしらで関わりながらやることになると思う。
勘違いするなよ③ 新しいものをガンガンやっていく
僕たちは新しいサービスを作るのが好きだ。VARK SHORTSのほかに実は10個くらい新規サービスを出していた(そして色々失敗もした)。最近Vの事務所も始めたのでまた新しいことを見つけたらやっていきたいし、なんか面白い話があったら言って欲しい
最後に広告
VARK SHORTSが2億回再生されてて、多分3億再生にも迫っております。
ユーザー数も着実に増えており(多分そろそろアッパーというか全てのアクティブVRMユーザー使ってる?)になってます!! まだ使ってない人は是非!