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パフォーマンスという世界

演劇が大好きで、中学〜高校と演劇部。
授業にも演技を組み込んで色んな表現の勉強をした。舞台に立つ時もあれば裏方に立って監督である先生の音楽テイストを否定して舞台のラストにクラウス・ノミを響かせた時もあった。
とは言え、舞台関係とは素人の付き合いだけだった。
仕事にしたいと思う位愛せなかったし、チケットを売り歩く舞台女優になる興味も根性もなかった。

舞台との再会はフェティッシュバーでスタッフをしていた頃。自分の誕生日にパフォーマンスをしないといけない。オープンしたばかりのお店で、一ヶ月後の初めてのスタッフショー。緊張がはしっていたのは当たり前。お店の名を汚せない。エンターテイナー、表現者になるつもりはなかったけれども、ショーを行うなら生半可なものなんて自分の中で許せない。見に来てくれるお客様を満足させたい。スキルゼロの中、自分に求めるものと課す課題だけが増えていった。

当日は着物の着付けとヘアセットを行い、ミックスした音楽を再確認。最後の最後にランスルー。その後は、ほぼ何も覚えていない。なんとか形にはなっていた…かな?

そんな私だったけれど、ここ数年で舞台に立つことが多くなった。今はなき Kawaii Monster Cafe でSMショウを行った時は恩師や10年来の友人に見守ってもらったおかげもあって、今まで感じたことのない達成感を感じた。あそこであんなことをする機会を与えてくれた柘榴ユカ嬢には感謝の気持ちでいっぱいだ。

私がパフォーマンスの世界に魅了されるきっかけとなったのはサンフランシスコで上条早樹さんのアテンドのお仕事をさせていただいた時。早樹さんがステージを次々とこなしていく姿にただ圧巻された。縄のさばき方。場を操る技。観客の興奮する姿。ショーが終わった後の受け手のアフターケア。ファンとの接し方。一つ一つが豪快ながら繊細で、目を追いつかせるのがやっとだった。女王様になりたての私を大先輩なのに気遣ってくれたり、色々とこちらがお世話になってしまった。早樹さんとはその後もサンフランシスコ、東京、神戸でもお会いしている。実は私をデラカブの舞台に上げてくれたのも早樹さんだった。

今私が行うパフォーマンスは基本「セッションを人前でする」というスタイルだ。(DJとパフォーマンスをさせて頂く時は自分で音楽をミックスしないで済むので大変助かる)受け手と事前に軽い打ち合わせはするがリハーサルは基本なし。

そんな私のパフォーマンスを「アート」と評して下さる方もいますが、私は自分をパフォーマンス・アーティストと思ったことはありません。ただ、普段密室で内緒に行うような行為を舞台上でするだけ。時には受け手の痴態を公に晒す。SMショウにはメッセージ性やアート性が必要だと言う方もいますが、私はそう思えないのです。それは最終的に受け取る相手が決めること。嫌悪感を感じる人もいるでしょうし、「よかったよ!」と声をかけてくださる方もいます。

さて、次はどんな所で誰と舞台に立つのでしょうか?

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