見出し画像

ビジネス中国語は意外にも簡単?


今朝TwitterのTLで流れてきたものをみて、少しもやっとしたので、少し私なりの考えを書いてみたい。

“そこでわかったのは、ビジネス中国語は案外、簡単かも!?ということです。 広告制作にまつわる言い回しや、クライアントの商品にまつわる単語を覚えてしまいさえすれば、あとはそれらを使い回すだけでなんとか会話が成立します。”

これは中国語に限らず、英語でも他の言語でもそうなのだが、彼女の言っていることは一部正しい。彼女のように限られた言語レベルにおいて、必要最低限の言葉さえ覚えれば、仕事上困ることはない。事務的な仕事で電話を受けたり、メールの返信を行ったり、こういう業務では特にその傾向がある。

また、これは、日本で活躍する外国人選手にも同じことが言える。相撲であっても、毎回インタビューで聞かれることは決まってる。大体同じような答えを用意していて、最後に「次頑張ります、あざっす」とか言っておけばいい。

ただ、ビジネスという括りで考えるとそのレベルでは「お金を稼ぐ」ことは出来ない

ビジネスでお金を稼ぐためには必ず「商談」や「交渉」が絡んでくる。事務レベルでの語学水準だと、まったく話にならない。

英語圏にしろ、中国語圏にしろ、相手がレベルが高くなるにつれて、「言葉」のレベルも上がってくる。上海のキャバクラのおねーちゃんにしか通用しない文化指数が低く、「娘炮」な中国語では全く太刀打ちできない

雑談から始まり(どの言語においても、この雑談が一番難しい。内容が広範囲にわたるからだ)、マーケットの話、お金儲けの話、趣味の話等敷居が高くなる。中国の場合、お茶や酒のマニアックな話もよくされるので「ただ言葉が喋るだけ」の人は完全に置いてけぼりを食らう。

これはあくまで私の考えだが、言葉というものは、ただ読めて喋れるようになっただけでは「ただ言葉が出来る人」止まりで、その国の文化であったり歴史的なものを勉強し、理解し、血肉としない限り、「地道」な言語レベルに達することは出来ない。これは、同時通訳者の権威である塚本慶一氏も「中国語通訳への道」で強調されていた。歴史書に通じ、漢詩・唐詩・宋詩、孫子・孔子から朱子学等の哲学に触れ造詣を深める必要がある。


“留学時の中国語の先生のようにビジネスの場面ではこっちが言うのを相手は待ってくれない。卓球のように会話というラリーを続けていかなければ全く相手にされないのである。 Time is money. (时间就是金钱)”


<まとめ>

▶限られた場面においては、言葉も限られているので、それらを覚えることで言語レベルが低くとも、何とかはなる。
▶ビジネスでお金を稼ぐために求められる言語レベルは非常に高い。それは言葉だけではなく、文化的な深みとビジネス力(経験・実績)がものを言う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?