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中国のショッピングモールは「社交の場」へと変化しつつある?


得到APPの得到头条115 为什么初创公司容易陷入利润纠纷?https://www.dedao.cn/courseArticle/Q8dpgOa54NZMVzm1r0KByzxkwYm2Rl

という記事の2番目に、今の中国ではショッピングモールはコロナ禍の影響もあり、新規出店が大幅減少もしくは、計画がかなり遅れているが、その中でも成功しているモールには理由があるという記事があった。それに関する考察が非常に面白いと思ったので、記事を紹介しつつ、解説していきたいと思う。

存量竞争时代,购物中心怎样才能打出自己的差异化优势呢?我们先把问题搁在这儿,来看一个例子。

淘汰されるスピードが非常に速い時代において、ショッピングモールはどのような差別化を行い優位性を打ち出すのか?という投げかけである。

你可能听说了,在今年十一期间,上海新开了一家超级购物中心——前滩太古里,总建筑面积达12万平方米,有16个足球场那么大。开业之前,有业内人士担心,觉得前滩太古里恐怕不会像北京、成都的太古里一样火爆。一来是因为前面说的存量竞争激烈,二来是因为前滩太古里在上海的位置相对较偏,不像北京、成都太古里那样位于城市的核心商圈。

ここでは、最近上海でオープンした「前滩太古里」というモールについて説明されている。あまりに広大な面積を誇る当モールについては開業前からロケーションの悪さや同業他社(他モール)との激しい生存競争等要因で業界内でも不安視する声があった。

结果没想到,前滩太古里开业之后火爆得不行,到处人山人海。更有意思的是,你要是去前滩太古里,最先注意到的,很可能不是俊男靓女,而是上海的大爷大妈们,上海话叫“阿姨爷叔们”。据说他们用截然不同的打开方式,把前滩太古里玩出了平行时空的新境界。 

ただ、蓋を開けて見ると上海店は人でごった返すほど人気ぶりであったという。ところが、このモールで目を引くのはイケメン・美女ではなく、上海の年配の方々だという。

早上十点多,太古里户外广场上,已经聚集了来自上海各地的阿姨爷叔们。他们不是来购物的,而是来拍照打卡的。他们三五成群,寻找到有利地形后,开始轮流摆Pose。阿姨们笑得春光明媚,仪态万千,爷叔们鞍前马后帮着拎包拍照。到了中午,阿姨爷叔们就在室外的桌椅上,吃自带的午餐。下午是自由活动时间,两两组合,继续拍个性化照片,丰富朋友圈的九宫格。

彼らは朝10時にモールに集合すると、買い物をするわけでもなく、所謂「映える」スポットを探し、そこでポーズを取って写真撮影を行うのだという。お昼には持参の弁当を広げて皆で和気あいあいと食べ、午後は少人数のグループに分かれて引き続き写真撮影を行い、Wechatのモーメンツに写真を上げるのだという。 

你发现没有,阿姨爷叔们看重的不是太古里的购物功能,而是在太古里的社交体验,把购物中心玩儿成了一日游景点。其实不只是他们,年轻人也一样。如果光是吃个饭、买个包,何必专门跑去购物中心?购物中心的核心功能,正在从购物转向社交;消费者正在从购物性消费转向社交性消费。

この事例からも分かるように、彼らはモールに買い物に来ているわけではなく、モールを一つの「社交空間」として活用しているのである。これは若い人達にも同じことが言えるという。モール自体がショッピングの場所から、社交的な活動を行う場所へと変遷しつつあると。

到这儿,我们就可以回答前面的问题了。在存量竞争时代,哪个购物中心能率先在优化顾客的社交体验上发力,谁就能够在竞争中占据先机。比如,如何设计拍照打卡点?如何引入更多高体验性的商业项目?如何高质量地策展?怎么组织持续的主题活动、创意活动?怎么满足年轻人的夜间社交需求?等等。

生き残りをかけた競争が激しい現在において、消費者に良い社交的な体験を提供することが出来るようなモールは競争を勝ち抜くことができるかもしれない。写真映えする場所をどのように設計してしかけるか?また体験型のショップであったりアトラクションなどをどのようにモールに誘致するのか?質の高いサービス、魅力的で真新しいイベントを継続的に行えるか?若者が求める夜の社交ニーズをどのように満たすことが出来るか?等々、考えるべきことはたくさんある。

個人的には、ここ数年で中国の都市は本当に変わったなと思うのが、若者が夜遅くまで友人達とお酒を飲み交わしてワイワイ騒ぎ、街中で酔っぱらってふらふら歩いて大声ではしゃいだり、道端に座ってお酒を飲んで歓談していたりすることが増えているのが目に見えて増えたことである。地下鉄の終電も少しずつであるが、時間が遅くなりつつあるし、節目の大型連休の時には夜12時を過ぎても地下鉄がダイヤ変更で走っていることもある。そういう意味では中国の都市の若者たちも日本の都市とかなり近づいてきた感はある。

甚至,购物中心的空间设计、场景设计和动线设计,也应该以社交逻辑而不是以购物逻辑来重新规划,为消费者打造一个更加丰富、更加有趣、更加人性化的“第三生活空间”

今後のモールの空間設計であったり、風景・景色、動線のしかけというものは、ショッピングを行う場として設計を考えるのではなく、「社交の場」としてのモールの角度から設計すべきで、モールを家と会社以外の第三の生活空間として消費者に場を提供するべきだという。

最近オープンし成功しているモールは全てこの傾向を押さえているなという感じは確かにする。現在多くのモールが閑古鳥が鳴いている状況は、ひとえに消費者に金を使わせる場所として設計されたところが多く、現状どこの都市のモールに行ってもどこも同じチェーン店のショップだらけで何一つ新鮮味がない。また、レストランやカフェなどの飲食店も魅力のあるもの、写真映えがするお店や体験型のショップなどを充実させないと人が来ないというのが中国の小売りの現状である。(それでも人が来ないところもある)今後は更にそれに加えて「社交の場」として消費者に場と体験を提供できるモールが生き残っていけるのかもしれない。


今日はここまで。じゃあの。

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