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既読書紹介vol.6

『プロパガンダゲーム』著:根本聡一郎
を紹介。

就活サスペンス!?
なんのジャンルだと思い、手に取った1冊。
プロパガンダは、政治的宣伝とか世論誘導などを指す。

最近、大学生の就活の現場で
自由討論やディベート、課題解決など型はいろいろあれど、実施の多くなってきているグループディスカッションでの選考。
今は、高校生の就活でも行われることも出てきている。

面接の攻略本がでて、こう聞かれたら、こう答えるのような型ができている中で、
より学生の実践的な主体性やコミュ力を中心に評価をするために行われている。
単に発言すればいいだけでなく、グループをまとめたり、反対意見を配慮したり、全体を見ることができるかが評価の対象となる。

今回のこの本は、そんな就職試験の最終選考の場が舞台。選考方法は、仮想国家での戦争の正当化をグループディスカッションする。
単なる討議ではなく、大衆感情や情報スパイもいて、騙して騙されて
正に国防の最前線のような緊張感の中、選考(と思われている情報戦)が続く。
学生たちは、どこに向かってどうやり通すのかと共に
私たちが実社会でどう情報に誘導されてしまっているのかも垣間見ることのできる1冊。

その臨場感以外に
(小説ではあるが)一部の大学生には、ここまでのスペックを持ち、それを使いこなす能力があり、世を変えるだけの見知も備わっているのかという驚きと
(現実には)今も対策本頼りの面接対策をしている教育現場での時代錯誤のギャップに、
時代は二極化が進んでいると言われる、そんな場を見ているような気持ちになった。

厚労省の就活ガイダンスの内容が、いかに社会の中で後進かを感じずにいられない。

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