30歳で自立したくなった話14/私が犯人
目を覚ますと隣に彼の姿は無かった。
急に不安になって飛び起きると、遠くからシャワーの音が聞こえた。
よかった、いつも通りの朝だ。
彼はいつも私の30分前に起きて身支度を済ませ、私の起床時間になると寝室に起こしにきてくれていた。
私は目覚めが良いのでひとりでも起きられる。でも彼が優しく起こしてくれるのが好きで、いつもなかなか起きられない子のふりをしていた。
でも、もうそれも無くなる。そう思って寝室を出ると、丁度お風呂から出た彼と鉢合わせた。
「ひとりで起きられたね」
彼が